軍用機が地上駐機している際、赤いタグをつけているのを目撃したことはありますでしょうか。このタグは「グランドセフティーピン」と呼ばれるとても重要なものです。
軍用機が地上駐機している際、赤いタグをつけているのを目撃したことはありますでしょうか。実はこれ、事故防止のためになくてはならないものなのです。
停まった軍用機にぶら下がる“赤タグ” 必ず装着そのワケ いつ…の画像はこちら >>スペイン向けのF/A-18であるCE-15戦闘機のエンジンに取り付けられたタグ(画像:スペイン国防省)。
このタグは「グランドセフティーピン」と呼ばれるものの付属品。実はタグの大元にある金属ピンの方が重要で、航空機が地上にいる際に、誤作動や損傷してはいけない機構や装備などを無効にしたり、固定したりする役割を持っています。
特に戦闘機は銃砲や爆弾なども搭載しているため、暴発して重大事後にならないよう、様々な位置にこうしたタグがついています。このように軍用機は付けている数が多いので目立ちますが、民間の航空機や大型の旅客機などにも駐機時にはつけられています。
2023年4月29日にはスペイン国防省が、公式YouTubeチャンネルで「軍用機に見られる赤いリボンはなんですか?」と題した動画を公開。なんとF/A-18(スペイン名CE-15)戦闘機を使い、スペイン空軍の整備士であるゴンサレス軍曹が、実際に作業しながら解説していました。
ゴンサレス軍曹の話によると、場所によってピンの形状が違い、地上の整備員により、脱着されるそうです。なお、ピンをつけたまま離陸すると、それもまた事故の原因になるとのこと。だからこそ、ピンには目立つ赤色のタグが用いられており、「REMOVE BEFORE FLIHT(飛ばす前に外せ)」という文字が大きく表記されています。
取り外しが完了したら、パイロットに見えるよう整備士が掲げて、直接目視で確認してもらいます。気になるのが、このピンはどこに置いておくかですが、その謎に関して、ゴンサレス軍曹は機内に収納して、現地でまた使うと説明。F/A-18戦闘機では機首レーダーが収納されているノーズコーンのやや後ろに収納スペースあるようで、実際にトビラを開けて見せる場面もありました。
おそらく日本でも同じことが行われているハズ。航空自衛隊や在日米軍が主催する航空祭へ行った際には、そうしたフライト前の動きにも注目してみると面白いかもしれません。