〈四谷大塚〉高校時代、幼児にトイレで自分の局部を触らせて警察沙汰、退学に…森容疑者(24)が過去に犯していた“もうひとつの大罪”…求められる「日本版DBS」学習塾にも制度認定を

中学受験進学塾「四谷大塚」にて生徒児童の盗撮や個人情報漏えいが頻発した問題で、警視庁が東京都迷惑防止条例違反などの容疑で逮捕した元講師、森崇翔容疑者(24)=東京都日野市=が、高校生時代にも小児性愛的指向が明らかな動画を撮影したことなどを理由に捜査当局の聴取を受け、退学処分を受けていたことがわかった。当時の同級生が集英社オンラインの取材に証言した。子どもと接する職場で働く人に性犯罪歴がないことを確認する新たな仕組み「日本版DBS」について、これまでは学習塾やスポーツクラブなど民間事業者は除外される見通しだったが、議論が再燃している。
森容疑者は日野市内の中学校を卒業後、都内の私立高校に進学した。高校は進学校でもあり、野球やサッカー、ラグビーの強豪としても全国にも知られる有名校だ。取材班は、森容疑者の当時の同級生でクラスも一緒だったという男性に話を聞く機会を得た。「うおっ、森くん! マジで懐かしいですねー。ウチの高校はスポーツ推薦のクラスと中高一貫で上がってきたクラス、それと一般入学クラスがあるのですが、森くんは一般入学クラスでした。
記者の直撃取材に応える森容疑者(撮影/集英社オンライン)
入学当初はおとなしくていつも1人でいた印象で、当時からガリガリに痩せていました」しかし、学業では目立つ存在で、勉強を教えることで級友たちとうちとけるようになっていったという。「2クラスある一般入学クラスの中でも、森くんは勉強面ではトップクラスで、特に数学はぶっちぎりに1番でした。僕も森くんに教えてもらったことがあって、わかりやすく丁寧に教えてくれました。話す分には『普通にいいやつ』って感じ。そういえば将来の夢は『小学校の教師』だって話してましたね」
SNS内で生徒の個人情報をさらしていた森容疑者(知人提供)
頭脳明晰で親切というイメージが定着しつつあった高校生の森容疑者はしかし、徐々に“個人的”趣味をあらわにしていったという。「実は高校のころも“そういう話”があったんです。森くんがある時から『僕は小学生以下の小さな男の子が好きなんだ』と口にするようになったんです。もちろん誰彼構わずではなく、うちとけて話がしやすくなった相手を選んでそういう話をしていた感じです。最初は友達をつくりたくて目立つための『キャラ設定』ぐらいかな、と思っていたんですが、通学中の電車の中でも『○時の○号車にはいい感じの男の子がいるんだ』とまるで僕らが可愛い女子の話をするような自然な口調で話すようになって。そのあたりからみんなの反応も引き気味になっていきましたが、森くんは変なやつと思われるのなんて百も承知という感じでした」
森容疑者は“話しやすいヤツ認定”をした友人には、さらにグイグイと自分の「趣味」を披露するようになっていったという。「そのうち森くんから『LINEを教えて』と言われて、なんとなく嫌だったので断ったんですが、いきがかり上、メールアドレスは教えることになったんです。するとその日から毎日、気持ちの悪いメールが届くようになりました。僕以外にも数人が受け取っていましたが、森くんが前日に見たという〝夢〟の報告メールが届くんです。気持ち悪いのばっかりでしたが、覚えているのだと『(人気子役の)〇〇くんに触ってもらったり色々してもらう夢を見た』という内容でしたね。ふだんから僕たちが女性芸能人の話をするように、森くんは名前もわからないような男の子役の話をしていました」
記者の直撃取材に応える森容疑者(撮影/集英社オンライン)
しかし、森容疑者はこうした「夢」を夢で終わらせなかった。夏休み明けにはクラスメイトたちに、自分が撮影したという動画を自慢げに見せびらかすようになったという。「動画はあるショッピングセンターで、5歳くらいの男の子をお菓子で釣ってトイレに連れ込む様子を写していました。僕は見たくもないので見ませんでしたが、見た他のクラスメイトによると、森くんは男の子に自分の局部を触らせたり、もっとひどいことをさせたりして、相手の男の子は何をさせられているのかわかっていない様子だったようです。森くんは、男の子をトイレまで探しにきた親に見つかって顔も見られたらしいのですが、そんなこともうれしそうに話してたんです。正直、まともではないとしか思えませんでした」狂気の沙汰を笑顔で報告する森容疑者に一同は騒然となり、噂は瞬く間に学校中に広まった。「僕も『キャラじゃなかったんかよ』って驚きました。それから1カ月近く、森くんは普通に登校してきていましたが、みんなからは距離を置かれていました。そして、間もなくその一件が警察沙汰になって退学したんです。それ以来、彼の動向はまったく知らなかったのですが、またというか、なんというか、同じようなことをして捕まっていたんですね……」
森容疑者のSNSのプロフィール(知人提供)
森容疑者が通った高校にこの“事件”について問い合わせると、以下の回答であった。「問い合わせの方が当時在籍していて一身上の都合で退学届を提出してそれを受理していることは間違いありません。退学理由や時期については答えることはできません」
「今回の事件で19日に森容疑者を逮捕した警視庁少年育成課は、記者発表時のレクで森容疑者の前歴について明言は避けたものの、『あるにはあるけど』『詳細は控える』と匂わせています。おそらくこれが、退学処分につながった高校時代に起こした事件を指すのでしょう。捜査当局としては被疑者の前歴を『発表』するわけにはいかないものの、教育現場に性犯罪歴のある人物を戻してはいけないという風潮も無視できない。今後の法整備にも、今回の事件は影響を及ぼすと考えられます」
記者の直撃取材に応える森容疑者(撮影/集英社オンライン)
英国には子供と接する職場で働く人に性犯罪歴がないことを確認できる「DBS(Disclosure & Barring Service 前歴開示及び前歴者就業制限機構)」があり、日本版DBS創設に向けてこども家庭庁の有識者会議が6月から議論を始めている。DBSは同庁が管理する犯歴登録システムの照会で性犯罪歴が確認された場合、子どもと接する業務に就けないように制限するものだ。雇用主が請求した無犯罪証明書を同庁が交付する仕組みで、保育園や幼稚園、学校、児童養護施設などに義務付ける方向で検討が進んでいる。いっぽう、民間の学習塾やスポーツジムなどの事業者は当初、対象から外すことも検討されていたが、23日の有識者会議で「任意での利用」を可能にするという意見が出て、広範な支持を得たという。有識者会議は来月にも意見を取りまとめて提出、政府はこれを受けて法案の策定に入る方針だ。
警察車両に乗り込む森容疑者(撮影/集英社オンライン)
※「集英社オンライン」では、今回の事件をはじめ学校や塾にまつわる事件、トラブルを取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。メールアドレス:[email protected]X(Twitter)@shuon_news取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班