270万冊の収蔵可能 公園眺めながら図書閲覧も 新県立図書館・文書館複合施設 29年度、青葉の森公園内に開館 景観、防災にも配慮 千葉県が基本計画

千葉県教育委員会と県は、千葉市中央区の県立青葉の森公園内に整備する県立図書館と県文書館の複合施設の基本計画を発表した。同公園の景観や近隣住宅地に配慮して地上3階の低層建築にする一方、約270万冊の収蔵能力を確保した。防災機能も高める。今後、実施設計などを行い、2029年度の開館を目指す。事業費は195億円程度の見込み。
建設場所は同公園北口駐車場近くの広場。複合施設(地上3階建て、延べ床面積約1万9千平方メートル)は供用期間を80年と想定し、免震構造を採用する。非常時に連続24時間の電源供給が行える発電設備を設け、太陽光パネルも設置。100年に1度発生する強風に耐えられる性能を備える。
書庫は自動化し蔵書を効率的に管理。火災時に資料損傷のリスクを低減するガス消火設備を採用するほか、屋根や壁を二重にして断熱効果を高める。
閲覧席は520席程度の予定で、3階からは公園の景観を楽しめるように設計。県民が施設の資料を活用して調査研究活動を行い成果を発表できるプレゼン・セミナースペースや、子どもの読書活動推進センターも設置する。
県教委と県は、中央(千葉市中央区)、西部(松戸市)、東部(旭市)の県立図書館3館と県文書館(千葉市中央区)の機能を集約することを決定。西部、東部図書館は地元市に委譲する方向で調整しており、中央図書館と県文書館の活用方法は未定。