元台風13号の渦巻は静岡県へ 日本の南海上には活発な雲がダブルで発生中 動向注意

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台風13号は上陸することなく、きのう8日(金)21時に日本の南で熱帯低気圧に変わり、きょう9日(土)午前9時の天気図から消えました。ただ、きょう9日(土)正午の衛星には、元台風13号の渦巻が見られ、引き続き、湿った空気が流れ込んでいるため、大気の状態が不安定。急な雨や雷雨に注意。一方、日本の南方海上にはボコボコと活発な積乱雲が見られます。今後、更に発達する可能性があるため動向に注意が必要です。
元台風13号→熱帯低気圧→9日9時の天気図から消滅

きのう8日(金)は台風13号の影響で、関東や東北では記録的な大雨となりました。台風13号は、上陸することなく、8日(金)21時に日本の南海上(東海の南海上)で熱帯低気圧に変わりました。ただ、台風の中心よりも北東側に活発な雨雲があり、台風が接近する前から関東や東北では記録的な大雨となりました。千葉県・茨城県・福島県では発達した積乱雲が次々と連なり同じような場所で大雨をもたらす「線状降水帯」が発生し、レーダー解析で猛烈な雨が降ったとみられ「記録的短時間大雨情報」が相次いで発表されました。台風13号から変わった熱帯低気圧は衰弱し、きょう9日(土)午前9時の実況天気図上からは姿を消しました。ただ、9日(土)正午の気象衛星画像(トップ画)では、静岡県あたりにはっきりとした渦が見られます。引き続き、湿った空気が流れ込み、今夜(9日)にかけて大気の状態は不安定です。記録的な大雨となった関東~東北南部では、地盤が緩んでいる所があります。少しの雨でも、土砂災害や川の増水に注意が必要です。過去には、大雨のあと、半日以上経ってから、土砂災害や川の増水が発生した事があります。家の裏山や近所の川へはむやみに近づかないようにしましょう。また、千葉・茨城・福島では、きのう(8日)のヒンヤリから一転、グッと気温が上がり、最高気温30℃以上の真夏日の所が多くなっています。湿度も高いため、復旧作業はこまめに休憩や水分をとり、熱中症に注意が必要です。
日本の南海上に発達した積乱雲 今後の動向に注意

9日正午現在、日本の南の海上には、低圧部に伴う発達した積乱雲がダブルで見られます。「低圧部」とは周辺より気圧が低く、低気圧性循環(反時計回り)はあるものの、その中心がはっきりしない熱帯擾乱のことです。中心がはっきりすると、「熱帯低気圧」と呼び名が変わり、さらに最大風速が17.2m/s以上になると「台風」と呼ばれます。現時点では、沖縄の南の低圧部はあまり発達しない予想ですが、マリアナ諸島付近の低圧部は発達させている気象予測モデルもあります。今後の動向に注意が必要です。
9月の台風は要注意

9月は強い勢力を保ったまま日本列島を縦断する台風が多くなります。台風は太平洋高気圧のヘリを回って進みますが、太平洋高気圧の張り出しが次第に弱まるためです。ただ、海は温まりにくく、冷めにくい性質があるため、南の海上は9月でも海面水温が30℃くらいと高く、台風が発達しやすい状況が続きます。
大きな災害をもたらした台風 ほとんどが9月襲来

気象庁は、特に大きな災害を伴った台風には洞爺丸台風や伊勢湾台風など名前をつけています。これまでに名前がついた台風は10個ありますが、内9個が9月に襲来しています。9月は本格的な台風シーズンです。日頃からハザードマップの確認や、側溝の掃除など、備えは万全にしておきましょう。