知人女性に性的暴行を加え怪我をさせたなどとして、不同意性交等致傷罪で9月6日に宮崎県警に逮捕された宮崎市議会議員のスーパークレイジー君こと、西本誠被告(37)。宮崎地検は27日、西本被告を同罪で起訴した。面会した加藤博太郎弁護士と妻のA子さんに話を聞いた。
今年1月に、妻とひとり息子とともに故郷の宮崎に住民票を移し、高齢者や子育て世代を中心とした支援に取り組んでいた西本被告。夫の起訴を知った際、妻のA子さんは泣き崩れたという。事件のあらましはこうだ。9月2日、妻のA子さんが勤めるキャバクラ店に公務後に入店。被害者のキャバクラ嬢のB子さん(36歳)をはじめ、妻のA子さんとともに深夜1時ごろまで飲んでいたという。
スーパークレイジー君こと西本容疑者(本人SNSより)
「妻もいる場で西本容疑者とB子さん、西本容疑者の友人らでアフターに行こうとなったようですが、A子さんを除く複数名で店を出たそうです。その前にA子さんはB子さんに『夫と2人きりになりそうになったら帰ってね』と釘を刺したそうです」(A子さんの知人)しかしその約束は守られることなく、午前1時半頃から1軒目の居酒屋のカウンター席で西本被告とB子さんは2人で飲み、その後、午前2時から3時過ぎまでシーシャバーで過ごしたという。その店での二人の様子を目撃した店員はこう証言した。「2人掛けのソファー席で並んで座り、女性が西本さんの膝の上に乗るのを3、4回見ました。また、顔を向き合わせて軽くチュッチュッという感じのキスを3回ほどしていました。2人とも泥酔というほどまでではなく、意識はしっかりしてるように見えました。その後は店を出て、ラブホ街方面に歩いていきました」
スーパークレイジー君こと西本容疑者(本人SNSより)
後日、西本被告は不同意性交致傷罪で逮捕されるのだが、B子さんが「ベッドに押し当てられ着衣の上から胸部や陰部に触れ、逃走しようとしたところ全治7日間の傷を負わされた」と主張したのに対し、西本被告の主張は大きく割れていた。西本被告と接見をしてきた加藤博太郎弁護士が解説する。「シーシャバーを出た後、近くのホテルの目の前で入る入らないといったやりとりが30秒ほどあったそうです。手を握ってホテルに入るやりとりはしたようですが、強引に引っ張ったり、暴力をふるうなどはしてないようです。その後、ホテルの部屋に入った後も、暴力はふるってないし、服を脱がしてもない。性交渉はしていないとのことでした。その後は女性がフロントに『今から帰ります』と電話して部屋を出て、それからクレイジー君も帰ったと話しています」
西本被告の妻のA子さんは逮捕後の「集英社オンライン」のインタビューにこう答えている。「(翌日)B子からLINE通話がかかってきたんです。深刻そうでもない声で『そこに旦那さんいる?』と聞いてきたので『寝てるよー』と言ったら、『実は昨日、ホテルに行った』って言われて『は?』となりました。『ヤッたの?』『いや、ヤってない』と。でもわざわざ電話してきたってことは何かあったんだろうと思い『怪我させられたとか?』って聞いたら『帰りに転んじゃって怪我をしたけど、旦那さんから怪我させられたわけじゃない』って言ったんです。このことはキャバクラ店の常務にも電話して話したみたいです。その場ではとりあえず一旦電話を切り、寝てる旦那を『コラぁ! 起きろ!』とぶん殴り、飛び起きたところを正座させました。そしてまずB子さんに謝れと言いました。それから夫の前でB子さんに電話し、スピーカーフォンにして話をしました」
妻のA子さんと被害者B子さんのやりとり(A子さん提供)
改めて、今回の起訴についてどう思うか、A子さんに聞いた。「起訴の知らせがあった後、泣き崩れました。その後、10分ほど夫と面会しました。これから宮崎で私と子供でどう暮らしていくかなどについて話しました。とにかく今はなぜ、どうして、今後どうしたら、という気持ちでいっぱいです」加藤弁護士は言う。「A子さんは隣で見ているのも辛くなるほど言葉を失っていました。本件では、行為に及んでおらず、着衣も脱がしていません。弁護側としては,怪我も被害者のB子さん自身が『クレイジー君から負わされたわけではなく、ホテルの部屋を出た後に自ら転んだものだ』とA子さんに言ってきた中で、不同意性交等致傷罪での起訴は厳しいのではないかと考えています。もし、その罪で判決が下った場合は,法律上懲役6年以上の実刑がつく。それはあまりに重たすぎる。弁護側は,今回の件で犯罪が成立するとしても不同意わいせつ罪にとどまると主張することを考えています」
西本容疑者(本人SNSより)
西本被告自身も今回の件は深く反省しているという。「クレイジー君も容疑について否定はしていましたが、自分が起こした行動により女性を傷つけるきっかけを作ってしまったことと、宮崎市民に対しては申し訳ない気持ちでいっぱいだと反省をしています」(同前)地元紙によると宮崎市議会で現職議員が起訴されるのは今回が初だという。裁判で、西本被告は何を語るのだろうか。取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班