<JR京葉線問題>一宮町長「暴挙と言わざるを得ない」 JRに再考要望 「移住者呼び込みにも影響」 通勤快速廃止などのダイヤ改正で

通勤快速廃止などJR京葉線の快速を縮小する来年3月のダイヤ改正について、京葉線が乗り入れる外房線の上総一ノ宮駅がある一宮町の馬淵昌也町長は27日の記者会見で「改正は容認できず、再考を求める」と批判した。馬淵町長は「沿線住民は通勤時間帯の速達性を前提として生活設計をしている」と指摘し「何の前触れもなくいきなり速達性を奪うのは、公共交通機関としての自覚をかなぐり捨てた暴挙と言わざるを得ない」と述べた。
町によると、JRは来春のダイヤ改正で、同駅午前6時8分始発の京葉線快速と午前7時発の通勤快速を各駅停車とする一方、特別料金が必要な特急を午前7時台に1本増やし計2本とするとしている。
馬淵町長は京葉線の混雑標準化などを図るためとするJR側の考えには理解を示しつつも「事前の詳細な情報提供や緩和措置もない」と、JR側の対応に疑問を投げかけた。JR千葉支社の土沢壇支社長に近く、ダイヤ改正の撤回を求める要望書を提出することも明らかにした。
県南部の多くの自治体が人口減に頭を悩ます中、同町は1万2千人台の人口を維持している。鉄道による東京方面へのアクセスの良さから同町を移住先に選ぶ人も多いといい、馬淵町長はダイヤ改正により「移住者呼び込みへの影響もあると思う」と説明した。
熊谷俊人知事や千葉市の神谷俊一市長もダイヤ改正を「容認できない」と反発しており、馬淵町長は「他自治体とも連携しながら見直しを求めていきたい」と話した。
12年前に埼玉県から同町に移住してきた男性(51)は、東京・大手町の勤務先に通うため通勤快速を利用することもある。増便される特急の利用も検討しているが「特急料金の負担は大きい」と嘆いた。