2月22日といえば、最近は「猫の日」として知られるようになっています。ネコといえばクルマでもネコ科の動物の名前を車両名に使うケースも多いですが、かつて三菱自動車が発売していた「パジェロ」もネコが名前の由来です。
2月22日といえば、「猫の日」として知られるようになっており、最近ではコンビニやスーパー、百貨店などが商戦を展開することも珍しくなくなりました。ライオンなどに代表されるネコ科の動物は、そのイメージからクルマでもブランド名や車種名に使われるケースも多いですが、三菱自動車が2021年7月まで製造していた「パジェロ」も、実はネコから名前がきています。
三菱「パジェロ」=“ネコ”って? 4WDブームを起こした伝説…の画像はこちら >>パジェロ ファイナルエディション(画像:三菱自動車)。
「パジェロ」という名前の由来となったのは、南米に生息する「コロコロ」と言われるヤマネコで、別名を「パジェロキャット」といいます。ヤマネコのようにしなやかに悪路を駆けていくことを願ってのネーミングだったそうです。
三菱自動車は、1950年代からジープのライセンス生産を行っており、主に公共車両として販売していました。パジェロはその技術を活かし、4WD車としての悪路走破性や信頼性を維持しつつも、乗用車感覚で走れる快適性を備えたクルマとして1982年に最初のモデルが登場しました。
発売当初からオフロード車ファンからは強い支持を受けますが、デビュー当時のパジェロはキャンバストップとメタルトップの2種で、どちらも2ドアだったこともあり、一般的な人気まだそれほどではありませんでした。
その後、パジェロはユーザーの要望に合わせて拡充していきます。1983年には全長を延長した4ドア仕様を発売。1985年にはオートマチック車を追加し、1987年には本革シートなどの豪華装備を付与した「エクシード」グレードを登場させるとなどし、人気を不動のものにしていきます。特に「エクシード」の発売を開始した時期は、バブル経済による好景気とスキーブームという時代背景も合わさり、月50台売れればヒットという予想を大きく上回り、月に1000台を販売する空前のヒットとなりました。
このブームの頃には、4WDは無骨だというイメージを覆し、SUV車のブームの先駆者として長らく君臨。「パジェロに乗って、苗場でユーミン」という言葉が最高の週末を示すキーワードになるほどでした。
当時、パジェロを生産していた東洋工機株式会社の工場は人口1万人にも満たない岐阜県坂祝町にありましたが、このヒットで三菱自動車が100%子会社すると、社名をパジェロ製造株式会社に変更し、パジェロは同地の名産となります。一時期は町の税収の3分の1がパジェロ製造に関わるものだったそうですが、2021年7月にパジェロの生産が終了すると、他の車種の生産も停止し、8月には残念ながら工場閉鎖となりました。
ちなみに、1994年4月11日から2011年3月28日まで放送された『関口宏の東京フレンドパークII』(TBS系)では、番組終盤のダーツコーナーで2010年3月までパジェロが一番豪華な賞品であったことから、同番組の「パジェロ! パジェロ!」というコールが今でも頭に残っている30代以上の方は多いのではないでしょうか。