“うつぶせ寝”による「窒息」や“子どもの存在自体を忘れてしまう”車内の「置き去り」を防止する最新テクノロジー

幼い命が犠牲となる事故を防ぐために開発された「見守り機能」を備えた、ハイテク製品に注目です。
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名古屋市西区の認定保育園「寺子屋木もれ陽」。(畑中大樹記者 3月26日)「昼寝の時間になりました。こちらの部屋では、寝ている子どもの横で、常にスタッフが見守っています」
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園児の安全管理は重要です。保育中の子どもの死亡事故は、就寝中に起きたものが大きな割合を占めます。去年12月。東京・世田谷区の認可外保育施設で生後4か月の男の子が死亡。うつぶせの状態で寝かされ、窒息したことが原因と見られています。
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(寺子屋 木もれ陽宇都宮幸恵さん)「入園したての時はどうしても(睡眠の)癖をつかむまで、自分たちも気を付けなければいけない気が引き締まる時期」
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窒息のリスクがあるうつぶせ。この保育園では国のガイドラインに従って就寝中の園児の体の向きなどを、5分おきに記録しています。その際、サポートしてくれるが。(“うつ伏せアラート音”が鳴る)服にとりつけたセンサーが感知する音です。子どもの体位を自動で記録し、呼吸の状態も感知し、うつぶせの状態が続いたり呼吸が止まるとアラートが鳴る仕組みです。
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(寺子屋木もれ陽牧野まき子園長)「(記録のために)下を向いている時間が短くなる分だけ、子供たちのことに気をかけられる。二重で見守れることに安心感がある」(保護者)「うつぶせで寝ちゃうことがあるので(センサーが)あるといい」このシステムを2018年に開発した名古屋生まれのベンチャー企業「ユニファ」。睡眠チェック用のセンサーでは、シェアナンバーワン。
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(ユニファ 土岐泰之CEO)「園内にはまだリスクが残っている。もっと幅広い子どもの安全・安心というところにテクノロジーやセンサーの技術を活用していくべき」
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一方…(加藤電機 加藤学社長)「一般車にも利用してもらえるように新たに開発した製品」愛知県半田市の加藤電機が、子どもの車内への置き去り防止が目的で開発を進める安全装置。試作品です。
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おととし、静岡県の認定こども園の園児が送迎バスの中に置き去りにされ、死亡。その後、送迎バスには置き去りを防ぐ安全装置の設置が義務化されました。
(木下大記者)「車内に音が鳴り響きます」加藤電機がこれまでに開発した安全装置は、車内の見回りを促すために、最後尾にあるスイッチを押すまでブザーが鳴り止まない仕組みのものや、置き去りになった子どもをセンサーが感知し、スマートフォンに通知が届くものなどが。
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一般車向けの装置は、ことし夏に発売予定。細かな配線作業なしで取りつけられます。
去年9月には、岡山県で53歳の祖母が2歳の孫を車内に残したまま駐車。後部座席にいたことを、9時間半も忘れ去られた孫は熱射病で死亡しました。
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またアメリカで起きた子どもの車内での熱中症による死亡事故のうち、原因の55%は子どもの“存在を忘れた”置き去りでした。(加藤電機 加藤社長)「子どもが乗っていたとしても次の動作のことを考えていたり、一日のことを考えたりしていると完全に記憶から(子どものことが)抜けてしまう。うっかりミスを防ぐために、こういった支援装置で補っていくことが大事」
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そして、今回加藤電機が開発した商品の特徴は。(加藤電機 加藤社長)「より普及しているカーセキュリティーのシステムと置き去り防止をドッキングさせ、より多くの人に使ってもらおう」「盗難防止」機能も備え、幅広い層に購入してもらう狙いです。幼い命の見守りは、テクノロジーのサポートでより確実に。保育の現場を中心に取り組みが進んでいます。