去年10月、新潟県柏崎市の海水浴場で訓練中の消防士が死亡した事故をめぐり、事故原因や再発防止策を議論してきた第三者委員会が柏崎市消防本部に報告書を提出しました。「慣れがあった」として組織的要因などを指摘しています。
去年10月、柏崎市の海水浴場で水難救助訓練に参加していた柏崎消防署の消防士長の男性が訓練中に溺れ死亡しました。
これを受け、柏崎市消防本部は水難事故の専門家や弁護士など7人の有識者で構成する第三者委員会を設置し、去年11月から事故原因や再発防止策について議論を重ねてきました。
そして4月22日、議論の結果をまとめた報告書が消防本部に提出されました。
【事故調査・再発防止委員会 小林彰 委員長】
「今後の再発防止に努めていただくようお願いします」
報告書は、事故原因について訓練に陸上監視員がいなかったことや過去の訓練で消防士長に鼻血や耳抜き不良などの症状が出ていたものの、指導者の間で情報が共有されていなかったことなど組織的な要因を指摘。
また装備自体には不備が認められず、消防士長が訓練中に何らかの理由で浮力調整装置に空気を送るホースを外し、浮力を失ったことで溺れた可能性があることが示されました。
その上で、再発防止策として安全最優先の組織風土の構築や健康状態の把握を含めた個人の適性管理などに取り組む必要があるとしています。
【事故調査・再発防止委員会 小林彰 委員長】
「普段やっていることだったこともあり、ちょっと慣れがあったかなと。そういう観点からみると遵守事項を徹底していなかったと考えた」
【柏崎市消防本部 小林晴久 消防長】
「安全管理体制に向ける目が不足していた。できる限り(再発防止策が)網羅される形で水難救助訓練、水難救助事案の現場でも活動をしたい」
報告書は近く柏崎市のホームページで公開されます。