スチールのドームらしい。
トルコの国防大統領府(SSB)は2024年8月9日、イスラエルの防空システムである「アイアンドーム」を発展させたような多層防空システム「スチールドーム」を開発すると発表しました。
「ウチのは“鉄”じゃなくて“鋼鉄”」トルコ版「アイアンドーム…の画像はこちら >>アイアンドームのミサイルランチャー(画像:イスラエル国防省)。
SSBによると、「スチールドーム」はトルコの空域全体を覆う「安全の傘」として設計されており、“超低高度から高高度”“超短距離から超長距離”までの脅威に対応できることできる設備にすると発表しています。開発に関しては中東情勢の変化を受けての防空力強化とみられています。
「アイアンドーム」の場合、防衛圏内に侵入してくる、砲弾、ロケット弾、ミサイルのほか、無人機や航空機、誘導爆弾まで全ての攻撃を、脅威度の高いものから対空ミサイルで迎撃する設備になっていますが、4~70km圏内が防空範囲で、主に近接での攻撃を想定したものです。
そのため、高高度から侵入する兵器や弾道ミサイルは「アロー」、射程が70~300kmのミサイルやロケット弾に関しては「ダビデスリング」という別の防空システムが防空を担当しています。対して「スチールドーム」は、この三つの防空システムを統合したような、多層構造のミサイル防衛システムを目指すようです。
開発を中心的に担当するのは、トルコの防衛企業である「アセルサン」で、ほかにロケッサン、セージ、MKEなどのトルコ企業が参加します。アセルサンCEOのアフメット・アキオル氏は今回の防空システム開発に関し「私たちが培ってきた技術を結集して作り上げた『スチールドーム』のコンセプトには、国家の鋼鉄の意志が込められています」と公式Xで発言しています。