「悪質な言動を決して看過することはできません」 プロ野球の今後の対応に注目集まる

スポーツ観戦では、応援している選手や球団を鼓舞する際、つい熱くなってしまうもの。
優勝してほしいからこそ、何かミスと思えるようなことがあると、批判したくなる気持ちも湧き上がるかもしれません。
しかし、行き過ぎた言葉は、選手や球団を傷付け、重大な事態を引き起こす可能性があります。
2023年3月30日に、一般社団法人日本野球機構(NPB)がウェブサイト上に『SNS等への投稿についてのお願い』を掲載。
NPBと内部組織の日本プロ野球選手会、日本プロ野球12球団の共同で、誹謗中傷についての声明を発表しました。
同声明でつづられたのは、昨シーズンにSNSなどで、懸命にプレーする選手に対する誹謗中傷、侮辱や脅迫などが相次いだこと。
選手のみならず、家族や監督、コーチ、球団スタッフ、審判員を含む関係者への誹謗中傷も発生し、2023年の春季キャンプイン後も、その兆候は続いているといいます。
試合や私生活に支障が生じていることを深刻に受け止め、断固とした対応を取ることを次のように明示しました。
日本プロフェッショナル野球組織(NPB)、12球団及び選手会は、ファンのみなさまとも手を携え、球界が一丸となって選手と選手の家族を守り、プロ野球をさらに魅力あるものに発展させていきたいと考えており、このように選手、選手の家族、監督、コーチ、球団スタッフ、審判員を含む関係者の尊厳を傷つけ、プロ野球の魅力を損なう悪質な言動を決して看過することはできません。
もちろん誹謗中傷等に対しては、発信者情報開示請求等の法的措置を講じ、専門家や警察などの関係機関と連携するなどして、これまで以上に断固とした対応をとってまいります。
ファンのみなさまには、誹謗中傷等を拡散しないこと、SNS等での投稿にあたってマナーを守っていただくことを改めてお願いするとともに、何より選手の力になる前向きなご声援をたくさん送っていただけることを心より願っています。

日本野球機構 ーより引用
同様の声明は、NPBや日本プロ野球選手会のTwitterアカウントにも投稿され、瞬く間に拡散されるとともに、多数のコメントが寄せられました。
選手を傷付けるコメントを危ぶんでいた人は大勢いたようで、断固とした対応に踏み切ったことを称賛する声が大半を占めています。
・目を覆いたくなるような誹謗中傷がありました。厳正に対処していただきたいです。
・このような文章を正式に出さざるを得ない状況は、悲しいですね…。
・チームのみなさんに、安心して野球に専念してほしい。
・応援の裏返しかもしれないけど、傷付けるのはNG。気を付けていきましょう。
シーズンの開幕前に示された組織の姿勢に、ほっとした選手も多いことでしょう。
今後は、ファンが野球への情熱を間違った方向に注ぐことなく、健全な精神で選手を応援していくことが望まれています。
[文・構成/grape編集部]