皆さんは平仮名の「を」をどう説明しますか?その説明の仕方が地域によって大きく異なっているんです。そこには発音の変化の歴史が関わっているようです!
【桶屋美圭アナウンサー】「私は小さいころから“小さいお”と表現していますが、街の皆さんはこの“を”、なんと言っているんでしょうか」平仮名の「を」をどう説明するのか新潟駅前で調査してみると…【村上市出身の男性】「下のお。(Q.なぜ?)下のほうにあるから」【上越市出身の男性】「五十音の下のほうにあるから、下のおという読み方をしている」【新潟市出身の女性】「小さい頃からずっと、下のおと言っていた」どうやら、新潟県内では「下のお」と説明するのが一般的な様子。しかし、埼玉県出身の女性は…【埼玉県出身の女性】「重たいお。昔から言っていた」【桶屋美圭アナウンサー】「新潟は皆さん、下のおと」【神奈川県出身の男性】「下のお!?どういう事ですか?地域ごとに全然違うんですね」
佐賀県に住む男性がつぶやいた「佐賀に来て一番驚いたのは『を』を『うぉ』と読むこと」という投稿。この投稿に対して各都道府県民が反応し、SNS上で話題に!【愛知県出身の男性】「(Q.『を』を言う時は?)Wo。(新潟では皆さん下のお)下のお?」「を」についての説明の仕方、そして発音の違いには歴史が関係していると話すのは、新潟大学・人文学部の磯貝淳一教授です。【新潟大学 人文学部人文学科 磯貝淳一 教授】「(Q.地方によって表現方法が違うのはなぜ?)『わ行のお』『重たいお』『鍵のお』『下のお』とか色々な言い方がある。そもそも2つの仮名が違うところを、区別をわかりやすくするために工夫された結果」しかし、昔は区別する必要がなかったと言います。【新潟大学 人文学部人文学科 磯貝淳一 教授】「奈良時代より前あたりは、あ行の『お』は、いわゆる『お』の発音だが、わいうえをの『を』は『うぉ』という発音だったと考えられる」そもそも「お」と「を」の発音が異なっていたため、両者を区別するための説明は必要ありませんでしたが、平安時代に2つの発音が徐々に近づき…【新潟大学 人文学部人文学科 磯貝淳一 教授】「江戸時代の半ばごろ、1700年代くらいにそれまでは混同しながらも『うぉ』で話していたが、それが現代に近い『お』になったのは江戸時代くらいと考えられている」2つを区別する必要が生じたため、地域ごとに言葉を考え、代々受け継いでいったため「を」の説明の仕方が方言のようになってしまったということです。