人命救助の場では、1秒が命運を分けるといっても過言ではありません。
危険な状態の人を助けるには、速やかに救急車などで病院に搬送し、適切な処置を行う必要があります。
世の中を支えるべく、全国の救急隊員らはサイレンを鳴らし、日時問わず街中を駆け回っているのです。
しかし、中には日々ほん走している救急隊員に対し、何を思ってか妨害を企む人もいるのだとか。
2024年9月には、東京消防庁がXアカウントで『救急隊への妨害行為が発生しています』と題した呼びかけを投稿し、多くの人に衝撃を与えました。
【救急隊への妨害行為が発生しています】救急隊は1秒でも早く傷病者の方を病院へ搬送するため全力で活動にあたっています。妨害行為には警察への通報など毅然とした対応をとらざるをえなくなりますが、それは私たちの望む活動ではありません。一層のご理解をお願いします。#東京消防庁 pic.twitter.com/hWo9wL8opg
悲しいことに、中には救急車のフロントガラスを割るなどの行為をはたらく人がいるのだとか。
その意図はまったく分かりませんが、ストレス発散をしたかったのでしょうか。急いでいる救急隊員が相手なら、罰せられないと思っての犯行かもしれません。
東京消防庁の信じがたい訴えに、ネットからは救急隊員の身を案じる声や、加害者への抗議が上がりました。
歌手のGACKTさんも、今回の件に対して強い驚きと怒りを感じた1人。
同年10月27日、自身のXアカウントを通してこのように想いを明かしました。
救急車への妨害行為を起こす意図がボクには全く理解できない。
何のために彼らが働いているのか、何を目的に動いているのかが理解できないのか?
それとも単純に妨害することを喜んでいるのか、いずれにせよ理解に苦しむ。
日本の医療制度にあぐらをかいたり、くだらないヤツが増えた世の中になった。
昔からくだらないヤツはいたが、流石にこれは酷すぎる。
@GACKT ーより引用
ネット上で議論が起こるたび、さまざまな人の立場を想像しながら持論を述べることが多い、GACKTさん。
しかし今回の件では、どれだけ思考を巡らせても、救急隊員への加害にいたる人の事情や気持ちをくみ取ることができなかったようです。
GACKTさんに限らず、一定の良心と常識を備えている人であれば、想像するのは困難といえるでしょう。
怒りや悲しみ、困惑などのいろんな感情が伝わってくるGACKTさんの投稿に、多くの人が共感する声を寄せました。
・マジでそれ。どれだけ考えても、加害に及ぶ経緯が理解できない。
・救急隊員に命を救ってもらった1人として、信じたくない話だ。いつか、自分も助けてもらう立場になるかもしれないのに…。
・たとえどれだけ急いでいても、救急隊員に加害をしていい理由にはならない。嫌な世の中になったなあ。
不要不急の通報によって、過酷な労働環境が問題視されている救急隊員。
2023年には、17時間連続で出動していた50代の救急隊員が、疲労によって事故を起こしてしまったこともありました。
平和な社会を維持し、より多くの命を助けるには、世間の協力が必要不可欠といえるでしょう。
[文・構成/grape編集部]