冷たい水やお湯をいつでも使える、ウォーターサーバー。
「水道水よりも清潔でおいしい」というイメージを持つ人もいるかもしれません。
ですが、サーバー内のメンテナンスを怠ると、衛生状態が悪くなる可能性があります。
宅配水サービスを手掛ける株式会社ナックが運営する、クリクラ中央研究所は、1年以上お手入れをしていないウォーターサーバーの雑菌増加数を発表。
コックから採取した水中の細菌数が、多いもので1中に103オーダーまで増殖したとのこと。なんと水道水の10倍以上の細菌数がいるという結果になりました。
※写真はイメージ
麻布大学の生命・環境科学部、臨床検査技術学科で教授を務める、古畑勝則さんは、ウォーターサーバーのメンテナンスについて、次のように見解を述べています。
ウォーターサーバーを利用し続けると、内部に汚れが蓄積し、メンテナンスによって除去しないと細菌が増殖します。
細菌が増殖すると、バイオフィルム(生物膜)を形成します。バイオフィルムは細菌のすみかですから、さらに細菌汚染は拡大し、悪循環が続きます。
その結果、冷水に異臭がしたり、味に変化が起こる場合もあります。
こうした状況を改善するには、必ずメンテナンスが必要です。ウォーターサーバーを利用するには適切なメンテナンスは必須です。
機器の故障などない限り、スイッチを押せば、ウォーターサーバーから水が出てきますよね。
しかし、メンテナンスをしていないと、知らず知らずのうちに、衛生環境の悪い水を摂取している可能性もゼロではないのです。
同社が実施した『ウォーターサーバー利用者1100人への意識調査』によると、自身でウォーターサーバーのお手入れをしたことがある人は約84%。
利用者の大半がウォーターサーバーの衛生面に不安を感じ、お手入れを行っているといいます。
ただし、サーバー内部の清掃は、消費者が気軽に行えるワケではないため、メーカー側でのメンテナンスや交換対応による『安心・安全』を求める人が89%もいることが分かりました。
同社は、給水口やボトル差込口の清掃を定期的に行い、ウォーターサーバーの衛生状態を保つことの必要性を指摘。メーカーや専門業者による『メンテナンスサービス』を利用することも効果的だといいました。
日常的に利用している人も多い、ウォーターサーバー。
水の味や色などに違和感を覚えた時には、メンテナンスを検討してみてください。
[文・構成/grape編集部]