黄砂と花粉症の“ダブルパンチ”でアレルギー症状が重くなるといわれています。専門家を取材すると、花粉症に苦しむ子供が増えていることもわかりました。岸田首相(4月3日):「花粉症については、もはやわが国の社会問題と言っていいような問題であると。ぜひ結果を出したい」 岸田総理が国会で「日本の社会問題」とまで言及した花粉症。2023年の飛散量は過去10年間で「最も多い」とされていますが、花粉症を訴える子供が増えていることがわかりました。 名古屋市中区にある栄セントラル耳鼻科。
11日に取材すると、中学2年生(13)の患者が診察を受けていました。院長:「今ちょうどスギからヒノキに変わっている時期だから、ちょっと症状が出始めた頃かもしれないね」
中学2年生:「若干どうしようもないかなと思うので、薬で抑えていくしかない。寝るときに息がしづらくて、寝られないのが辛いですね」母親:「鼻水で息苦しいんだよね。(娘は)壁にもたれるようにして寝てます。夜はぐっすり寝て健康に、昼間は起きていてほしいです」 鼻水に悩まされ、毎日よく眠れずに困っているといいますが、学校でも多くの友人が花粉症を抱えているといいます。中学2年生:「(花粉症の友人は)3人に1人くらいです。花粉用のメガネをかけている子とか、コロナ前でもマスク着けていたりとか」院長:「低年齢化が進んでいると思います。2人に1人が、お子さんではアレルギー性鼻炎があるといわれておりますので」 耳鼻咽喉科の学会の調査によると、5歳から9歳でスギ花粉の症状があると答えた人の割合は、1998年が7.5%だったのに対し、2019年は30.1%と20年ほどで4倍に増加。10歳から19歳でも2.5倍に増えていて、実に子供の2人に1人は「花粉症」という結果になっています。
実際、街で聞いてみると…。母親:「くしゃみと鼻水が止まらなくなったりして、風邪かな、どっちかなみたいな感じで」別の母親:「ぼーっとして学校で集中力が下がったりしたらかわいそうだなっていうのはあります」
なぜ、子供の花粉症が増えているのでしょうか。院長:「生活様式が変わってきたりとか、色んなアレルギーが拾いやすくなってきたと思います。食生活とか生活環境、夜遅くまで起きていたりとか、ストレスを抱えるとアレルギーも増えてくることはよく知られていますので」 12日に国内で観測された「黄砂」。アレルギー症状を引き起こすといわれていますが、花粉症を持つ人は特に注意が必要だといいます。院長:「スギ花粉・ヒノキ花粉と一緒の時期に、毎年4~5月に黄砂が飛んでくるので、症状がよりひどく出てしまう」 アレルギー物質に反応しやすい花粉症の人は、黄砂とのダブルパンチで、鼻水や目のかゆみといった症状がさらに悪化する恐れがあるといいます。 服部医師は、花粉と同じように「体に取り込まない」対策が必要だと指摘します。院長:「(黄砂が)体についてしまうので、なるべくつかないような服装、ナイロンとかすぐ払えるような服。帽子とかかぶっていただいたり、目に入ると非常によくないのでメガネとか。なるべくお家にアレルギー物質を取り込まないことが大事です」 そのうえで、症状を抑える薬を飲むことが効果的なので、自分がどのアレルギーを持っているか検査をすることが重要だとしています。
院長:「アレルギーかそうでないかはある程度わかりますので、本気で調べるのであれば血液検査をお勧めします。この時期に何か症状があるようでしたら、(病院に)一回かかられたらいかがかなと」