12月19日の新潟県内は寒気の影響を受け、上越地域を中心に雪となりました。本格的な降雪シーズンを迎える中、大雪による車の立往生に注意が必要です。おととし、大規模な立往生が発生した柏崎市を取材しました。
柏崎市にある国道8号線米山大橋ではおととし、最大約800台の車が滞留し、22kmにわたって立往生が発生。解消までに38時間を要する事態となりました。この立往生から12月19日で2年…【齋藤正昂アナウンサー】「立往生のあった国道8号です。現在の天候は曇り、路面の雪もほとんどない状態で、通行する車もスムーズに動いています」19日午後4時現在、柏崎市では7cmの雪が積もっていますが、立往生が発生したおととしにはわずか2日で90cmの積雪を観測しました。立往生が発生してから市民の意識も変わったようで…【柏崎市民】「車の中で暖をとることが大事だと思う。ブランケットなど手軽に準備できるものはしておこうかなと」【柏崎市民】「万が一巻き込まれたときに、ずっとそこにいる可能性があるから(ガソリンが)半分くらいになったらすぐに入れている」【柏崎市民】「携帯トイレは一応積んでいる。困った時に助けになるかなと」おととしの立往生発生時にはドライバーからこんな声も…【立往生に巻き込まれた人】「道路脇の住民の方から差し入れとして、2つおにぎりをいただいた」【立往生に巻き込まれた人】「午後10時ごろ、国交省の人が一つ一つドアを開けて、水と携行食を持ってきてくれた」食料の調達が困難になることから食料や水を備える人もみられました。【柏崎市民】「何かあったときに、飲み物や簡単にすぐ食べられるものはトランクに入れてある。(被害に)遭ったら『あってよかったな』と思うだろうし」食料や物資の備蓄だけでなく、立往生に遭わないため情報収集も重要となります。【柏崎市民】「配送業で車を使う仕事なので、雪関係の(ニュース)はチェックするようにしている」【柏崎市民】「スマホとかテレビとかで情報を仕入れて、きょうは動かないほうがいいなと思ったらなるべく動かない」
ドライバーが備える一方で、ハード面での対策を進めてきたのが行政です。【齋藤正昂アナウンサー】「立往生が起きた国道8号は、道路の左側に登坂車線が用意されるほどの坂となっています」柏崎市の国道8号線は坂道が多く、急な勾配を上がることができずにスタックするトラックや車が立往生の原因の一つとなっていました。【長岡技術科学大学 上村靖司 教授】「雪の中で1台止まってしまうと、後続の車も次々止まって、その周りにさらに雪が降り、大規模滞留になってしまう」そこで…【齋藤正昂アナウンサー】「国道8号の上り坂となっている部分では、立往生を受けて、新たに融雪装置が備えられるようになりました」柏崎市米山台付近は地形の問題で消雪パイプが設置できないことから、国土交通省は去年、道路を暖めて雪を溶かすため、遠赤外線の照射装置や道路の下にはカーボン発熱シートを設置。実際に雪が溶けている様子も確認できました。想定を上回るドカ雪によって2020年にも関越道で大規模な立往生が発生している県内。国などは大雪が予想される場合には不要不急の外出を控えるよう呼びかけています。