新潟県佐渡市相川地区で牛の世話をする3人の家族。畜産業などを営む小松滝雄さんと妻・恵子さん。そして、孫の陽太くんです。
【小松滝雄さん】
「顔を見ると愛しいというか、何というか。牛を見ると癒やされる」
小松さんは佐渡市で行われた牛の品評会で最優秀賞を受賞するなど、佐渡の畜産業界をリードする1人ですが、もう一つの顔があります。
昨年末、作業小屋の中で小松さん家族が作っていたのは、高さ1.5mほどの門松。地元で「縁起が良い夫婦門松」と呼ばれ、10年ほど前から希望者に届けられています。
この活動を始めるきっかけとなったのが…
【石花公民館長 服部公正さん】
「ここに材木が氾濫した」
2012年に公民館など12棟で浸水などの被害を出した高波です。このとき、牛舎に被害を受けた小松さんは「地域に災いが降りかからないように」と、門松を作り始めたと言います
【小松滝雄さん】
「皆さんが幸せになって暮らせればと願いながらやっている」
そんな思いのこもった門松を年末に希望者のもとへ。
【地元の人】
「今年はいっそう立派な門松をいただいて、本当に感謝している」
そして年明けには、どんど焼きでその門松を燃やし、無病息災を願った小松さん。さっそく明るい話題が舞い込みました。
牛舎に今年生まれの子牛がやってきたのです。
【孫・陽太くん】
「名前はミライちゃんにした!」
【小松滝雄さん】
「畜産農家も去年あたりはあまり良くなかったもんだから、今年はなんとか明るい道が開けばいいし、頑張っていきたい」
子牛のミライとともに、地域の平穏な未来を願う小松さんの一年が始まりました。