ウイスキー古樽で貯蔵したサントリーならではの梅酒 – 「山崎蒸溜所貯蔵梅酒」シリーズがリニューアル

サントリーは、「サントリー梅酒〈山崎蒸溜所貯蔵梅酒ブレンド〉」を2023年3月中旬以降順次、全国でリニューアル新発売。「サントリー梅酒〈山崎蒸溜所貯蔵梅酒〉ウイスキーブレンド」「サントリー梅酒〈山崎蒸溜所貯蔵梅酒〉リッチアンバー」を2023年3月下旬以降順次、パッケージリニューアルを実施。それにあわせて、「山崎蒸溜所貯蔵梅酒」に関するセミナーを開催した。

洋酒づくりを通じて培ってきた知見や技術を活かして開発した、風味豊かな梅酒を展開するサントリー。同社の酒巻真琴氏は、「今年は、サントリーが梅酒づくりをはじめてから60周年の節目に当たり、この節目の年に、あらためて山崎蒸溜所貯蔵梅酒シリーズを中心に、サントリーの梅酒づくりのこだわりや特徴を知ってもらいたい」と、セミナー開催の理由を説明した。

「サントリーのリキュールやスピリッツなど、洋酒づくりの知見を基盤に生まれたのが、サントリー梅酒〈山崎蒸溜所貯蔵梅酒〉シリーズ」という酒巻氏はまず、このシリーズ生まれた背景やこだわりについて解説する。

ウイスキーの古樽に梅酒を貯蔵するのが、「山崎蒸溜所貯蔵梅酒」の最大の特長となっているが、その誕生は、山崎蒸溜所の現工場長である藤井敬久氏の「日本人の繊細な味覚に合うウイスキーを作るためには、ウイスキーの古樽に梅酒を貯蔵し、その樽でまたウイスキーを熟成させるとおいしくなるのではないか」というアイデアがきっかけになったという。そして実際に梅酒をウイスキーの古樽に貯蔵してみたところ、梅酒自体が想像以上の味わいに変化。梅酒に大きな価値が見出されたことから、2002年に「焙煎樽貯蔵梅酒」、そして2009年に「山崎蒸溜所 梅酒樽後熟 シングルモルトウイスキー」がそれぞれ数量限定で発売されるに至った。

こうしたユニークな背景から誕生した「山崎蒸溜所貯蔵梅酒」シリーズは、「山崎蒸溜所で貯蔵していること」と「ウイスキーの古樽を使用していること」が大きなポイントとなっており、「サントリーだからできた、サントリーならではの梅酒」であることを、酒巻氏はあらためて強調した。

「昨年、梅酒市場は前年比103%となっており、特に1,000円以上の瓶梅酒が伸長。近年は、梅酒に対して“本格感”が求められるようになっている」と梅酒市場の動向を解説。少し価格帯が高めでも、付加価値の高い梅酒が求められており、ウイスキーの古樽で貯蔵された「山崎蒸溜所貯蔵梅酒」は、その傾向にマッチした梅酒として、これまで梅酒は甘いので女性や若い人向きであると思っていたウイスキー好きの30~40代からも支持を集めているという。

そして、60周年の節目にあわせて、数量限定で発売される「サントリー梅酒〈山崎蒸溜所貯蔵梅酒〉EXTRA BLEND」を紹介。山崎蒸溜所で5年間樽熟成された特別な梅酒に、梅酒樽で長期間熟成したモルトウイスキーをブレンドした、より味わい深い梅酒で、名前に「EXTRA BLEND」という表現を用いることによって、今までのサントリー梅酒にはない、最高峰のブレンドであることを表現。「この特別の限定品によって、山崎蒸溜所で樽貯蔵した梅酒の魅力をさらに多くのお客様にお伝えしていければと思っている」と今後の展望を語った。

「サントリー梅酒〈山崎蒸溜所貯蔵梅酒〉EXTRA BLEND」は、化粧箱入りの商品で、化粧箱のデザインも特別な思いを込めているという酒巻氏。近代日本画の巨匠である横山大観氏の大作「生々流転」を用い、「和と洋の融合」「洋酒づくりの知見を活かした梅酒」という2つのポイントによって、製品の奥深いストーリーを表現しているという。

続いて、同社 藤原裕之氏が登壇。「山崎蒸溜所貯蔵梅酒」シリーズの特長として「山崎蒸溜所の湿潤な環境で貯蔵されていること」と「ウイスキーの古樽に梅酒を詰めていること」の2つを挙げて、同シリーズのこだわりを紹介。山崎蒸溜所の最適な湿度のバランスと、そして梅酒を詰める前に、古樽に「焙煎加工」と「リチャー加工」を施すことで、シリーズならではの厚みのある深い味わいが生み出されているという。

「山崎蒸溜所貯蔵梅酒」シリーズは、樽貯蔵とブレンドの技術を活用し、時間をかけた丁寧な製法で作られており、同社の通常の梅酒が約1年半で製造されているのに対し、「サントリー梅酒〈山崎蒸溜所貯蔵梅酒ブレンド〉」は、山崎蒸溜所でさらに1年ほど貯蔵。そこに通常の梅酒やブランデーなどの原料酒をブレンドすることによって仕上げられている。

一方、「サントリー梅酒〈山崎蒸溜所貯蔵梅酒〉ウイスキーブレンド」「サントリー梅酒〈山崎蒸溜所貯蔵梅酒〉リッチアンバー」の2種は、“プレミアムライン”と呼ばれ、通常の梅酒をブレンドしない100%樽貯蔵の梅酒を使用。そこに、「ウイスキーブレンド」では“梅酒樽熟成グレーンウイスキー”、「リッチアンバー」ではさらに“モルトウイスキー”をブレンドすることによって、複雑かつまろやかな味わいが生み出されている。

サントリーの梅酒は、無味無臭のニュートラルスピリッツをベースアルコールとして使用しているが、限定販売の「サントリー梅酒〈山崎蒸溜所貯蔵梅酒〉EXTRA BLEND」では、ベースアルコールにブランデーを使用。その特別な梅酒を5年間樽熟成し、さらに梅酒樽熟成のモルトウイスキーをブレンドすることによって、「我々の歴史と技術の粋を集めた特別な梅酒」になっていると、藤原氏はその仕上がりに自信を見せた。

そして、各製品の特長をあらためて紹介。山崎蒸溜所でウイスキー古樽を使って貯蔵した梅酒をブレンドし、隠し味にブランデーを使用した「サントリー梅酒〈山崎蒸溜所貯蔵梅酒ブレンド〉」は、ブランデー由来の華やかな香りに加え、ロックでもソーダ割りでも本格的なお酒の厚みを愉しめる味わいとなっている。

樽熟成した梅酒に、梅酒樽で後熟したグレーンウイスキーをブレンドした「サントリー梅酒〈山崎蒸溜所貯蔵梅酒〉ウイスキーブレンド」は、深い熟成香と繊細でトースティな香りが持ち味。グレーンウイスキーの上品な味わいと柔らかく長く続く余韻を楽しむことができる。

一方、「サントリー梅酒〈山崎蒸溜所貯蔵梅酒〉リッチアンバー」は、樽貯蔵した梅酒に、梅酒樽で後熟したグレーンウイスキーとモルトウイスキーをブレンド。樽貯蔵梅酒とモルトウイスキーによる芳しく華やかな香りとともに、2種のウイスキーのブレンドによるコク深い重厚な味わいが楽しめる。

そして、「サントリー梅酒〈山崎蒸溜所貯蔵梅酒〉EXTRA BLEND」は、山崎蒸溜所にて5年間樽熟成した梅酒に、梅酒樽で長期後熟したモルトウイスキー、さらに超長期熟成ブランデー古酒がブレンドされている。5年間樽熟成したブランデーベースの梅酒ならではの華やかな香りが広がり、柔らかく芳醇な味わいと、超長期熟成ブランデー古酒による奥行きのあるまろやかな味わい深さが魅力となっている。

また、「山崎蒸溜所貯蔵梅酒」と料理のマリアージュも提案され、「白エビのカルパッチョ」と〈山崎蒸溜所貯蔵梅酒ブレンド〉のソーダ割り、「苺とフェタチーズの白和え」と〈山崎蒸溜所貯蔵梅酒〉ウイスキーブレンドのロック、「ゴルゴンゾーラカヌレ」と〈山崎蒸溜所貯蔵梅酒〉リッチアンバーのストレートといった組み合わせが紹介された。

糸井一臣 この著者の記事一覧はこちら