【『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』】最終回直前!これまでの名場面を振り返り

ドラマ好きなイラストレーター、ゆう。(@yamapyou)さんが、2023年4月スタートのテレビドラマ『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』(テレビ朝日系)の見どころをつづります。
毎週、木曜の夜を楽しませてくれたテレビドラマ『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』(テレビ朝日系)が、次の放送で最終回を迎えようとしている。
本作の他の刑事ドラマと一味違う面白さは、テンポの良い会話劇が繰り広げられるところだろう。
上司と部下、刑事と検事、兄と妹、さまざまな関係において展開される、小ボケとなめらかなツッコミのテンポに気付けばハマってしまい笑顔になっている。
また本作は、事件のトリックや犯人探しではなく、人間関係に重きを置いているところも他の刑事ドラマとは違った良さがあった。
犯人とその犯行手口はわかりやすく描かれているのに対して、動機や人間関係が複雑で「なぜ事件を起こした?」「どうしてやってしまった?」と興味を掻き立てられる構図になっている。
そもそも事件はすべて人間が起こしたものなのだ。そこには必ず動機があって、理由がある。
人間関係や人間の心理の複雑さが丁寧に描かれているところが、なんといってもこのドラマのポイントだろう。
本作の良さを語ったところで、最終回に向けこれまでの名場面を振り返る。
なんといってもあの個性的なメンバーが集まった初回は忘れられない。ここからすべては始まったのだ。
アメリカ赴任から戻ったばかりの目黒(磯村勇斗)の英語や、原口(岡崎紗絵)や岸本(長井短)のクセの強さを感じさせられる自己紹介が印象的である。
そして第1話はゲストにアイドルグループ『なにわ男子』の大橋和也が登場した回でもある。事件について何かを隠していることが伝わる絶妙な演技を見事に演じてみせた。
仲井戸(桐谷健太)との取り調べシーンで少しずつ心を開いていく様子も丁寧で、大橋和也の演技がもっと見たくなる、そんな回でもあった。
第3話にて初めて、身内が被害者となる回があった。
被害者は『氷点下100度の女』の異名を持つ、諸星(吉瀬美智子)。その異名を改めて認識させられた回でもあった。
見知らぬ相手に切りつけられたというのに、諸星は仕事中に感情を一切見せず、怯えたり、動じたり、感情的にならない彼女の芯の強さが伝わった。
そんな彼女の護衛を担当していた目黒。その際、さりげなく諸星に食事を誘われてから、彼女の虜になったのだろう。
目黒の「これからは僕が判事を守ります」「彼女のこと理解してますから」といった発言に仲井戸も視聴者も、皆が驚かされた。
この回を機に、目黒と諸星の関係は少しずつ進展していく様子が描かれる。
モテる女の余裕を見せる諸星に対して、ガチガチに緊張している、いかにも恋愛初心者な目黒が対比的でまた面白い。
「この恋は進展するのか?」と気になるところだが、最終回に期待しようと思う。
ドラマの中でも幾度となく私たちを楽しませてくれていたのは、仲井戸兄妹だ。
検事に無礼な発言をする豪太を叱りつける妹のみなみ(比嘉愛未)と、反抗期の子供のように言い換える兄の豪太。
テンポの良い兄妹の口喧嘩が始まり、最後はみなみの力の入った怒鳴りで収束する流れも見どころであった。
そんな喧嘩ばかりの二人であったが、第8話では深い兄妹愛が感じられた。
みなみが被疑者の女性の車に乗り込み、行方がわからなくなった状況で、誰よりもみなみを心配していたのは豪太だった。
そして事件の真相を暴くため、「弱い人を助けるために刑事になったんだから、助けてよお兄ちゃん。お願い」と泣きながら豪太に頼むみなみの姿は、兄を信頼し、誰よりも頼りにしている様子が伝わってきた。
喧嘩ばかりの二人だったが、お互いを想いあっている姿を見ることができた良回であったといえる。
以上、これまでの『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』を振り返ってみたが、「ああ、そんな場面もあったな」と少しでも思い出し、懐かしんでもらえていると嬉しい。
最終回はいったいどんな展開で私たちを楽しませてくれるのか、非常に楽しみだ。
2023年6月8日(木)よる9:00~、横浜みなとみらい署強行犯係のラストミッションを一緒に見届けよう!
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[文・構成/grape編集部]