最大で3倍近くにアップ…「ゴミ減量のためゴミ袋を値上げ」議決済みも新市長が“ストップ” 議会側から反発

愛知県瀬戸市で2023年9月から予定されていたゴミ袋の値上げに、新しく就任した市長がストップをかけようとしています。値上げを議決した議会側からは反発の声があがっていて、先行きは不透明です。 瀬戸市で今、大きな問題になっているのが、生活に欠かせないゴミ袋の値上げです。(リポート)「瀬戸市で指定されているゴミ袋は、9月から大幅に値上げされることが決まっています」
その上げ幅は異例ともいえるもので、例えば燃えるゴミ用45リットルは10枚当たり180円から500円、不燃ゴミ用40リットルは250円から400円と、最大で3倍近い値上げです。
ゴミ処理の有料化に伴う費用をゴミ袋に転嫁する形ですが、瀬戸市の価格は突出することになります。値上げについて瀬戸市民に聞きました。瀬戸市民ら:「500円って聞いているんですけど、ちょっと高いですよね」「反対ですね、大反対。家計の負担になる」「賛成する人はいないんじゃないですか。なんで瀬戸市だけというのは、ちょっとありますよね」「仕方ないのかなという感じ。できれば据え置きがいいですけどね」 瀬戸市は、1人あたりのゴミの排出量が愛知県内38市で4番目に多いという調査結果があります。
プラスチックゴミの分別収拾が始まったのは2022年の10月で、ゴミ減量の取り組みが遅かったのが要因との指摘もあります。
こうしたことから、負担を増やすことでゴミを減らそうと、2022年3月の市議会で値上げ条例が可決されました。ところが、2023年4月の市長選でゴミ袋の値上げ凍結を公約に掲げた新人の川本雅之市長が当選し、雲行きが変わりました。川本瀬戸市長:「ちょっと瀬戸だけ不公平じゃないかと。一回ここでストップして、みんなで考えようよっていうのが狙いというか、私の本心ですね」
早速6月議会に、ゴミ袋の価格を据え置く条例改正案を提出することを決めました。川本瀬戸市長:「値上げ自体は反対じゃないんですよ。尾張旭と長久手はゴミの量の推移を見ようということで、ゴミ袋の値上げを止めたんですね。瀬戸だけ不公平じゃないか」 瀬戸市は尾張旭市と長久手市と同じ焼却場を使っていることから、負担に差がつくことは避けるべきで、まずは分別の推進によるゴミ減量の推移を見守ろうと訴えています。
既に議決されているゴミ袋の値上げを凍結できるのか、川本市長に聞きました。川本瀬戸市長:「それはもう議会次第なんですけど、かなりハードルは高いと思います。公約として掲げたので、私は皆さんの思いを議会にしっかりと出していくというのは責務だと思っているので」 市議会からは反発の声もあがっています。自民新政クラブの冨田議員:「今までのことを市長がどういう風に思っているのか、本当に疑問だらけなんですけども。それまで長い間、議論を重ねてきたわけですよ、市民の方もみんな。それを無駄にするのかと」
条例が可決される前に行った市民アンケートでは、「実施すべきである」「やむを得ない」と値上げへの理解を示す回答が52.9パーセントと過半数でした。時間をかけて議論をしてきたと指摘します。
自民新政クラブの冨田議員:「3カ月でこの議案をガラッと変えるというのはどういうものなのかなって。補正予算の中に、約2億7000万のゴミ袋凍結のための予算がつけられました。(凍結には)余分なお金を使っていかなければいけないということも考えなければいけない」 ゴミ袋の値上げは凍結されるのか。条例の改正案は13日から始まる6月議会で審議されます。