愛知県豊川市で21年前、1歳の男の子が連れ去られ殺害された事件で、懲役17年の刑が確定した元受刑者の男性が再審＝裁判のやり直しを求めていることについて、名古屋高裁は7日、再審を認めない決定を下しました。
元トラック運転手の田辺雅樹さん(56)は2002年7月、豊川市で村瀬翔ちゃん（当時1歳10カ月）を車で連れ去り海に投げ捨てて殺害したとして、懲役17年の刑が確定し、2022年8月に刑期を終えて出所しました。
裁判では自白の信用性が争点になり、1審は無罪でしたが、2審で懲役17年の判決が下され、その後最高裁で刑が確定。
弁護団は事件を再現した実験結果などから「田辺さんの車から翔ちゃんの服の繊維が検出されていないのは不自然」などとして再審請求しましたが、4年前、名古屋高裁が再審を認めない決定を出し、異議を申し立てていました。
7日、名古屋高裁は「『犯行当時と異なる条件での再現実験は無意味』として再審請求を棄却した決定に誤りはない」として、再審を認めない決定を下しました。
後藤昌弘弁護団長：
「とても納得できない。何もこちらがやったことについて、前向きに答えているとは言い難いのではないかと思っています」
弁護団は決定を不服として、特別抗告をする方針です。
今回の決定を受け、翔ちゃんの父親は「裁判所の決定は妥当だと思う。こうした手続きによって残されている家族に影響が出ないように配慮して欲しい」とコメントしています。