車検切れ救急車使用 千葉県循環器病センター 昨年4月の調査で判明するも、警察に1年以上報告せず

千葉県病院局は9日、県循環器病センター(市原市)が車検切れの救急車1台を使用していたと発表した。車検満了日は昨年3月14日だったが、同17日と同30日の2日間、同センターの職員1人が計119キロ走行した。同年4月の公用車の実態調査で車検切れが分かったが、同局は今年5月まで警察に報告しなかった。1年以上も報告を怠っていた理由について同局は「認識が甘く、警察への報告が必要という考えに至らなかった」と釈明した。
同局経営管理課によると、救急車は新型コロナウイルス感染症対策のためのクリーンパーティションの運搬のために使用。3月17日に60キロ、同30日に59キロ走行した。毎年行う公用車の調査で、公用車の管理担当者が車検切れに気付き、同課や同センター事務局にも情報共有されたが、誰も警察に報告しなかった。
今年3月、県総務課に車検切れ走行を指摘する匿名の情報提供があり、改めて調査。車検切れでの走行は警察への報告が必要なことが分かり、5月25日に市原署へ報告した。同署は道路運送車両法違反(無車検)の疑いもあるとみて捜査している。
再発防止策として、車検満了日の定期的な確認の徹底や、法令順守の教育の強化などを挙げた。同局の川島智・副病院局長は「県民の信頼を損なうことになったことを深くおわびする」と陳謝した。