18日の「父の日」を前に、全国有数のヒマワリ産地として知られる館山市西岬(にしざき)地区で、ブランドヒマワリの出荷作業が最盛期を迎えている。生産者は「父への日頃の感謝とともに、平和への祈りを込めて飾って」との思いで、収穫や選別作業に汗を流している。
「西岬のひまわり」は水はけの良い砂地で栽培され、細く堅い茎が特長。2週間程度日持ちすることなどから、市場でも高い評価を受ける。農家14軒で構成するJA安房西岬共撰(せん)ひまわり部会は、小ぶりで花束に適したサンリッチ系を中心に約20品種を栽培し、東京・大田市場などへ出荷している。
同市小沼の西郷隆好さん(85)は、約2600平方メートルの作付面積で鮮やかな黄色の「サンリッチレモン」を中心に栽培。13日は、早朝に刈り取ったヒマワリを選別したり、余分な葉を取り除いたりと、家族総出で出荷作業を進めた。
ヒマワリはロシアの侵攻を受けるウクライナの国花としても知られる。同部会では昨年、ヒマワリ生産者として少しでも力になれたらと、JAを通じてウクライナ支援に10万円を寄付した。西郷さんは「ウクライナの人たちへの応援の気持ちも込めて作っている。心の癒やしになるので、テーブルの隅に飾ってもらえたら」と話した。
同部会では昨年同様、8月末までに約150万本の出荷を見込んでいる。