中部国際空港沖の工事を巡る官製談合事件の裁判で、業者に入札情報を漏らし受注させたなどの罪に問われている国交省の元所長は、起訴内容を一部否認しました。
中部地方整備局名古屋港湾事務所の元所長・藤田亨被告(61)は、2021年2月、中部国際空港沖の埋め立て工事を巡り、合わせて76億円分の入札情報を知人の業者にLINEで漏らし受注させたなどの罪に問われています。
14日の初公判で、藤田被告は情報を漏らしたことは認めましたが、「当時、適正に入札を行う義務がある職務にはなかった」などとして、起訴内容を一部否認しました。
続く冒頭陳述で、検察側は「藤田被告は繰越予算166億円を消化しなければならなかった」などと犯行の動機を指摘しました。
藤田被告は、この事件に絡んで業者から見返りを得た罪でも起訴されていて、7月19日からは収賄罪についての裁判も始まります。