入隊後4回目の実弾訓練…18歳自衛隊員が指導隊員に向けたのは『89式5.56ミリ小銃』2人死亡1人大ケガか

14日、岐阜市にある陸上自衛隊の射撃場で実弾を使った訓練中に、指導役の隊員3人が18歳の隊員の男に自動小銃で撃たれ、2人が死亡しました。もう1人も大ケガをしたとみられています。 岐阜市にある陸上自衛隊・日野基本射撃場で起きた銃発射事件。 射撃場から200mほど離れた場所の防犯カメラには、事件発生の20分後の午前9時半ごろに複数の救急車や消防の車両が射撃場の方向に走って行く様子が映っていました。
その約10分後の午前9時40分ごろには、射撃場のある方向から1台、また1台と、1分ほどの間隔で3台の救急車が走っていきました。 事件発生直後、射撃場の混乱を目の当たりにしたという近所の人に聞きました。近くに住む女性:「9時24分くらいに、隊員の方のすごい叫び声が聞こえたので。(窓を)閉め切っているんですけど、それでも聞こえたので、たぶん相当大きい声で叫ばれていた。外を見たら切迫しているような感じでした。『おーい』とか『早くしろ』っていうのは聞こえまして、その後に『AEDを探せ』というのは聞いています」 自衛隊から消防に通報があったのは、14日午前9時ごろです。<通報内容>「訓練中に隊員が発砲した。負傷者がいる」 実弾を使った訓練中に、18歳の自衛隊員の男が隊員に向けて自動小銃を発射。使われたのは「89式5.56ミリ小銃」で、弾丸は3人の男性隊員に命中し、3人は病院に搬送されました。
(リポート)「岐阜県総合医療センターです。銃撃された男性隊員3人のうち1人が搬送されました」 3人のうち52歳の男性隊員と25歳の男性隊員は、搬送時心肺停止の状態でしたが、病院で死亡が確認されました。もう1人の25歳の男性隊員は大ケガをしたとみられています。 関係者によると、銃弾はそれぞれ脇腹や太ももなどに命中し、死亡したうちの1人は胸を撃たれていたということです。 凄惨な事件を目の当たりにしたのか、射撃場の周りにはうずくまる自衛隊員や、1人で立ち上がることができず、仲間に肩を抱えられる隊員の姿がありました。
近くに住む女性:「隊員の方々が外に出られていて、泣いたりとか慰められている方はすごい見たので。でもその時には、まさかこんなことだとは思ってなかったので」 岐阜県警は銃を発射した隊員の男(18)を、死亡した25歳の男性隊員に対する殺人未遂の現行犯で逮捕しました。男は2023年4月に、名古屋市にある守山駐屯地に入隊したばかりの自衛官候補生で、事件が起きたのは新人隊員を教育するための射撃訓練中でした。 事件を受け、陸上自衛隊のトップ・陸上幕僚長が緊急会見を開きました。
陸上自衛隊の森下泰臣陸上幕僚長(午後2時過ぎ):「状況については細部確認中ですが、新隊員教育における実弾射撃訓練中に、自衛官候補生1名が3名の隊員に向けて発砲しました。この様な事案は武器を扱う組織として決してあってはならないものであり、陸上幕僚長として非常に重く受け止めております」 3人は、いずれも新人隊員を指導する『新隊員教育隊』の隊員だったといいます。陸上自衛隊の森下泰臣陸上幕僚長(午後2時過ぎ):「新隊員教育隊は全国各地で行っているところであり、それらを行うにあたって基本的な教育から始まって段階的に実施しているところであり、これまでそういった中でしっかりと陸上自衛官を育ててきたわけではありますが、今回このような事故を起こしたことにあたり、どこに問題があったのかしっかりと調査しその原因究明に努め、こういうことが2度とないようにその教訓を生かして再発防止に努めてまいりたいと思っております」
自衛隊の訓練施設で起きた凄惨な事件。現場には花を手向ける人の姿がありました。
小学6年生の娘:「いつも車から手を振ったら振り返してくれました。悲しいなと思っています」母親:「予想だにしなかったことなので、他の犯罪とかと同じように怖いなと思いました」 14日が入隊後4回目の実弾射撃訓練だったという18歳の男。その動機は明らかになっていません。