採用選考で「戸籍謄本」の提出を求められた人の割合は?

日本労働組合総連合会は、ネットエイジアと共同で行った「就職差別に関する調査2023」の結果を5月31日に発表した。調査は年4月1日~4日の期間、3年以内に就職のための採用試験(新卒採用試験、または中途採用試験)を受けた、15歳~29歳の男女1,000人を対象にインターネットにて実施したもの。

採用試験に際し、最終学歴が中学校の人(31名)に、「職業相談票(乙)」ではない応募用紙を提出するように求められたかと尋ねたところ、「ある」(58.1%)が「ない」(41.9%)を上回る結果に。次に、最終学歴が高等学校の人(214名)に、「全国高等学校統一用紙」ではない応募用紙を提出するように求められたかと尋ねると、「ある」は46.7%。前回は32.2%であったことから、所定のものではない用紙の提出が増えていることが明らかになった。

また、四年制大学・大学院・専門学校・短期大学の人(749名)に、会社独自の履歴書を提出するように求められたかと尋ねたところ、専門学校・短期大学の人(161名)では41.6%が「ある」(前回27.9%)、58.4%が「ない」(前回72.1%)と回答。続いて、四年制大学・大学院の人(588名)では54.4%が「ある」(前回62.6%)、 45.6%が「ない」(前回37.4%)との結果に。

採用選考過程において、「戸籍謄(抄)本の提出を求められたこと」の有無について、30.8%が「ある」、69.2%が「ない」と回答。最終学歴別にみると、学歴が若いほど提出を求められる傾向がみられた。また、「内定が出る前に健康診断書の提出や応募した会社が手配した健康診断の受診を求められたこと」では、52.0%が「ある」、48.0%が「ない」との結果に。職業安定法では認められないケースが増えている実情が明らかとなり、採用側の意識の改善が求められると同調査は示唆している。

採用試験にて、応募書類やインターネットの応募画面での入力を含むエントリーシートで記入を求められたか尋ねると、「性別」(80.5%)が突出して高くなっていることが明らかに。次いで「本籍地や出生地に関すること」(43.6%)、「家族に関すること(職業、続柄など)」(37.2%)と続いた。以降、「生活環境・家庭環境などに関すること」「尊敬する人物に関すること」「労働組合に関すること」などもあがった。