去年の新潟県高校総体で1年生ながら2冠を達成し、将来はオリンピック出場を目指す期待の高校生スイマーを取材しました。
6月15日、柏崎市の「スポーツアカデミー柏崎」。
県高校総体を約1週間後に控え、練習に励んでいたのは高校2年生の小山風香選手です。
小山選手は去年の県高校総体で1年生にして100m・200m平泳ぎの2冠を達成しただけでなく、今年の日本選手権200m平泳ぎで10位に入った水泳界のミライアスリート。
【SA柏崎 小山風香 選手】
「これまでの練習の成果が出たというのはうれしい。勝つことよりは、タイムを重視して泳いでいる」
速さにこだわる小山選手。その強さの秘訣は陸上でのトレーニングにありました。小山選手の足には、ほかの選手よりも多い2本のゴム。
【SA柏崎 児玉裕道コーチ】
「他の子がつけると、引っ張られて体勢が崩れちゃう。小山選手は安定感もあるので負荷も強い」
足下に強い負荷がかかっても安定した姿勢を保つことがタイムの向上につながります。
【SA柏崎 小山風香 選手】
「足がきつい。(練習することで)きつくなったときに頑張れる」
厳しい練習にヘトヘトになりながら取り組む小山選手。それでも練習の合間にはチームメイトと楽しそうに話す女子高生らしい一面も。
【チームメイト】
「小山選手は勉強も水泳もだけど、コミュニケーションとか大人と話したりするのとかもスターだと思う」
そんな仲間からも一目置かれる存在の小山選手と同じ練習メニューに山中麻央アナウンサーも挑戦。
腕立て伏せの体勢でゴムを使って負荷をかけながら腕や足を上げていきますが…
【山中麻央アナウンサー】
「ちょっと待って…何回やるんですか、これ。
【SA柏崎 小山風香 選手】
「これは、さっき20回やりました」
【山中麻央アナウンサー】
「1回で限界です」
一方、同じメニューを楽々こなしてみせる小山選手。この体幹の強さが水中で生きています。
【SA柏崎 児玉裕道コーチ】
「呼吸をしたあとの体を前に流すキックのタイミングのところ。彼女は背骨の使い方とか体幹の使い方というのが、特筆して能力が高いと思う」
上半身を鍛えるためにやっているのが、足を固定し、上半身だけで泳ぐ練習。
これにより、水に頭が入水したタイミングでも肩から背中にかけてのラインを水上でキープすることが可能に。水の抵抗を避けることで速さにつながると言います。
さらに休憩時間には一人でゆっくりと泳ぎ続けるストイックな姿も。
【SA柏崎 児玉裕道コーチ】
「これはリカバリースイムといって、あえて泳いでいる。スローに泳いで乳酸を除去する。真面目。結構ちゃんとやる」
真面目な性格で翌日に残らないようにしっかりをケアをする意識の高さもコーチは評価しています。
その原動力となっているのが、誰にも負けたくないという思いです。
【SA柏崎 小山風香 選手】
「負けず嫌いなところがあると思う。レースで隣にライバルがいると、負けたくないという気持ちが強くて、力を発揮できる」
そんな小山選手が見据える先は…
【SA柏崎 小山風香 選手】
「まずはインターハイで表彰台にのぼって、ゆくゆくはオリンピックに出たい。優勝したい」
もともとの技術力だけでなく、真面目で負けず嫌いな性格からコツコツ努力を続け、手に入れた才能で新潟の若きスイマーが世界を目指します。