八大タイトルのうち残すはあと1つ…『王座』獲得へ“一発勝負”のトーナメント戦 藤井七冠が村田六段と対局

将棋の藤井聡太七冠が20日、八大タイトルのうち残る1つのタイトル「王座」の獲得に向け、挑戦者決定トーナメントの対局に臨んでいます。 大阪の関西将棋会館で、七冠を達成後、初めてスーツ姿で対局に臨む藤井聡太七冠。20日は8つのタイトルのうち、残る1つ「王座」の挑戦権をかけて戦います。 相手は村田顕弘六段です。振り駒の結果、村田六段の先手となり、持ち時間5時間の長い戦いが始まりました。 6月17日、将棋AIの開発者と対談した藤井七冠。
将棋AI『Ponanza』の開発者:「(タイトルを)7つお取りになられていると聞いているんですよ。あと1個取りたいという気持ちはあるんですか?」藤井七冠:「全くないと言うとちょっとアレなんですけど、ほとんどなくて。チャンスってすごく限られていると思うので、できることなら生かしたいという気持ちはもちろんあるんですけど」 気になる「全冠制覇」についても謙虚な姿勢でした。 その後、子供向けの将棋教室に顔を出すと、楽しそうに記念撮影に応じました。
藤井七冠:「今日初めて将棋の駒を触った方も多かったと思うんですけど、皆さんどうでしたか?楽しかったでしょうか?」 対戦相手の村田六段も18日、名古屋の名城大学で行われた将棋大会に参加し、子供たちに指導対局をしました。
村田六段は、藤井七冠が五連覇を達成している詰将棋解答選手権に何度か出場していて、まだプロになる前の藤井七冠についてこんなことを話していました。村田五段(2016年当時):「(前半は)全部で6問あるんですけど、僕が1問目か2問目を解いている途中に、藤井君が全部解き終わって退出していって、『えー』という。天才という声も」
その天才は今や7つのタイトルを獲得し、互いに挑戦権をかけて盤を挟むことに。 王座戦挑戦者決定トーナメントは、負けたら終わりの1発勝負です。現在ベスト8まで出揃っています。
今回勝ったとしても、羽生善治九段か2023年度に入ってから負けなしの斎藤明日斗五段と対戦。反対側の山にも、渡辺明九段や豊島将之九段などタイトル戦の常連が控えています。 決して楽ではない王座戦の挑戦権をかけた戦い。現在ほぼ互角の戦況で中盤の勝負所を迎えていて、夜に終局する見込みです。