練習のため世界を転々…ウクライナの女子レスリング代表チームが愛知に 9か国目の日本で練習を続ける選手たちの思い

いまもなお続く、ウクライナ侵攻。その影響はスポーツにも…。ウクライナのレスリング代表の現在を取材しました。23日午前6時半。愛知県大府市にある至学館大学では、レスリング部がいつものように朝の練習です。20日からはウクライナの女子レスリング代表選手12人も参加し、合宿を行なっています。
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チームに声を掛けたのは、日本レスリング協会副会長でもある至学館大学の谷岡郁子学長です。(谷岡郁子学長)「いつミサイルが飛んでくるかわからないところでは、おちおち練習はできない。至学館の元気・明るさ、日本の平和を少しでも味わって心を癒してほしい」
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選手に現在の練習環境について聞いたところ…(ウクライナ代表 トカチ・ユリア選手)「戦争が始まってから私たちの練習環境は大きく変わりました。私たちは常に恐怖と不安の状態にあります」
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1年4か月も続く、母国とロシアの戦争。選手たちは国内で満足に練習ができなくなり、去年3月からヨーロッパの国々やアメリカに練習場所を求め、転々としているといいます。移動費はウクライナ政府や国内スポンサーのサポートを受けているそうですが、現地ではそれぞれの国やレスリング関係者らがサポートしているとのこと。
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今回の日本合宿は至学館大学が中心になってサポート。9か国目の合宿地となりました。
(ウクライナ代表 リヴァチ・オクサナ選手)「今では世界で最も強い選手たちとともにトレーニングができて、とても嬉しく思っています」
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過酷な環境の中でも実は、ウクライナ代表は去年12月のワールドカップで優勝。世界のトップに輝きました。どんな思いでレスリングに向き合っているのか…(ウクライナ代表 コリアデンコ・イリーナ選手)「私たちが大会で優勝することでウクライナの人々に勇気を与え、大変な時期のウクライナの人をサポート出来るよう頑張りたい」
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23日は朝練の後、大府市の幼稚園で交流会が行われました。園児らと一緒にダンスなどを楽しんだ選手たち。交流会の最後には、園児から折り紙のプレゼントが贈られました。
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(園児)「楽しかった」「プレゼントを渡すのが楽しかった。一緒に写真を撮ったりした」
かつて63キロ級で世界チャンピオンに輝いたトカチ・ユリア選手は、代表の「顔」。9歳と1歳半の男の子の母親です。家族はウクライナに今も…。(ウクライナ代表 トカチ・ユリア選手)「最高でした。とても楽しい時間を過ごせました。子どもたちからたくさんのエネルギーをもらい、明るい気持ちになれました。これから一生懸命練習に励みます」
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ウクライナ代表チームは7月1日まで至学館大学で合宿を行い、その後ハンガリーに向かうということです。