【神戸6歳遺体】評判の「優しいお母さん」が我が子の遺体をスーツケースで運ぶまで…保育園関係者語る容疑者の意外な姿

兵庫県西区にある草むらの中で、スーツケースに入った状態で遺体となって発見された穂坂修(なお)くん(享年6)。
発見現場から800メートルほど離れた一家のアパートは警察による鑑識のため、ブルーシートで覆われたままになっている。ときおり同じ年ごろの子どもや孫を持つ人たちが花やお菓子を持ってきては、ブルーシートの前で手を合わせる姿が見られた。
6月24日夕方遅く、10代の男性が一人でアパート前を訪れた。すでにやってきた人が置いてあったお供えの前にたたずみ、手を合わせている。男性はコロナになる前まで、修くんが通う保育園を手伝っていたという。彼がお供えとして置いたのは、ペットボトルのアップルジュースだった。
「修くんはすごく人懐っこくて、いつも笑顔で元気で活発な子でした。いろんなことを話して、みんなを楽しい気分にさせてくれてました。そんな子が、なんで……。どうか夢であってほしい」
あまりにも凄惨な事件。この男性が語ったのは、そんな現実からは程遠い母子の意外な姿だったーー。
■三輪車を押して保育園に登園「すごい仲のいい親子でした」
発端は、修くんの母で長女の穂坂沙喜容疑者(34)と次男の穂坂大地容疑者(32)、双子で次女の穂坂朝美容疑者(30)と三女の穂坂朝華容疑者(30)の4人が監禁と傷害の疑いで逮捕されたことだった。
4人には今年3月ごろから修くんの祖母を繰り返し押し入れに閉じ込め、鉄パイプで複数回殴りケガをさせた疑いが持たれている。押し入れの外側には、鍵が取りつけられていた。
祖母は監禁されていた自宅から逃げ出し、20日深夜に車いすに乗った状態で保護された。修くんはこの前日に死亡したとみられ、母・沙喜容疑者は「息子の遺体をスーツケースに入れて、4人で運んだ」と供述しているという。
そうして発覚した修くんの遺体現場。だが前出の10代男性によると、「すごい仲のいい親子でした」と語る。
「私は保育士になることをめざして勉強中で、コロナの前までは保育園へ手伝いに行っていました。というのも僕自身、その保育園の卒園生だったからです。そこに修くんも通っていました。
通園は、お母さんとふたりでした。いつもお母さんが修くんの手を繋いで歩いてきて。修くんの機嫌が悪いときには、お母さんが抱っこしてくるときもありました。またあるときは修くんが三輪車に乗って、それをお母さんが押して保育園に来る日も。とにかく見るからに楽しそうで、仲のいい母子でした」
■「天国で大好なアップルジュースをいっぱい飲んで」
コロナ前といえば、2019年ごろ。修くんはまだ3歳前後だった。このときの沙喜容疑者について、男性はこう振り返る。
「お母さん(沙喜容疑者)は、すごく子どもが好きでした。すごく修くんをかわいがっていて、修くんの機嫌がよくなるまでずっと抱っこしてあげるような方だったんです。なので、『優しいお母さんなんだな』という印象です。
それだけでなく他の園児にも話しかけてあげたり、ぐずっている子がいたら抱っこしてあやしてあげたりもしていました。自主的に保育園にやってきては、保育園の作業を手伝うボランティアのようなこともされていました。
保育園の先生とも仲良くされていましたし、他のお母さんともママ友同士で一緒に話しながら保育園の送迎をされていました。
だから、報道を見て『あのお母さんがそんなことをやれるはずがない。まさか、嘘だろ』と思ってしまいました。あまりにも、知っている姿とのギャップが大きすぎて。本当なのかと信じられないんです」
最後に男性は、お供えとしてアップルジュースを持ってきた理由をこう語った。
「修くん、このジュースが大好きだったんです。保育園でおやつの時間で出てくると、誰よりも先に手を伸ばして飲み干していました。機嫌が悪くなったときでも、あげるとすぐ笑顔になってね……。だから天国に行っても、大好なアップルジュースをいっぱい飲んでほしいなと思います」
評判の「優しいお母さん」が豹変してしまうまでに、いったい何があったのだろうか。一家の闇は深い。