“世界水泳”の飛び込みに出場する新潟県長岡市出身の荒木宥図選手。パリオリンピックへの切符がかかる大事な大会を目前に意気込みを取材しました。
跳躍から入水までの数秒で美しい演技を見せるのは、長岡市出身の荒木宥図選手。
【荒木宥図 選手】
「今、課題にしているのが飛び出しの高さだったり、距離、遠くに飛ばないようにすること。そういうところを意識しながら練習している」
荒木選手が出場するのは、3mの高さから2人1組で同時に飛び込み、同調性を競う「3mシンクロ飛板飛び込み」です。
4年前からペアを組むのは、長年のライバルだった須山晴貴選手。今年4月の大会で優勝し、初めて世界水泳に挑戦します。
【荒木宥図 選手】
「高校生・大学生くらいまでは、ずっとライバル関係みたいな感じだったけど、今は協力をして勝ちを取りに行くペア」
荒木選手の練習の拠点は地元・長岡市。去年、全中2冠を達成した石沢遥斗選手も所属する長岡ダイビングクラブで練習に励んでいます。
【長岡ダイビングクラブ 石沢遥斗 選手】
「(荒木選手は)特に姿勢とかがきれいなので、そういうところを真似できれば、もっとうまい演技ができるのかなと思っている。宥図選手みたいな世界水泳で戦える選手になりたい」
この日は、強化合宿の合間に長岡市に戻ってきていた荒木選手。
【荒木宥図 選手】
「柔軟は大事。どうしても、飛び込んでいるときは勢いでガっといっちゃうので、そのときに硬いと筋を痛めたりする」
入念なウォーミングアップのあとに行ったのは、陸上での飛板を使った練習です。
【荒木宥図 選手】
「上に行くと、恐怖心や緊張感が高まって思い通りの演技ができないけど、それを陸上でやることで、正しい動きができるので、陸上でやってプールの流れが一番大事」
演技の完成度や美しさ、入水時のしぶきの少なさなどが評価される飛び込み競技。
【荒木宥図 選手】
「ほんの1秒、2秒のために練習してきているので、自分との勝負」
【荒木選手の兄 駿図さん】
「少し助走から力むようになってきているよ。もうちょっと楽に。肩、楽にして」
荒木選手を支えているのが、荒木選手の兄でコーチの荒木駿図さんです。
【荒木選手の兄 駿図さん】
「ただの選手・コーチとしての間柄ではないというところが少し重要な点で、言葉では伝わらない、心が通じ合っているところをうまくいかして指導している」
【荒木宥図 選手】
「自分が気付かないところを教えてくれるときもあるので、一番自分のことを理解してくれている人に見てもらうのが一番安心」
信頼関係もばっちりの2人。荒木選手が大学を卒業してから4年間、二人三脚で歩んできました。
【荒木選手の兄 駿図さん】
「今年になってようやく日本一に輝いて、世界へ羽ばたく選手になってきたので、私としてはコーチとして、兄としてでも、すごくうれしい気持ち」
いよいよ7月に迫った世界水泳。表彰台に上がれば、来年のパリオリンピックが内定します。
【荒木宥図 選手】
「今は表彰台しか目がないので、表彰台に上って、パリオリンピックの切符を確実に取りに行きたい」
世界水泳は7月14日に開幕。荒木選手は15日に登場します。