公明で一本化…次の総選挙で新設『愛知16区』与党側の候補者調整が決着も自民の地元議員反発「組織壊れる」

自民党内では、次の衆議院議員選挙で新設される愛知16区の候補者について調整が続いていましたが、地元の県議・市議らが求めていた自前候補の擁立は見送り、党本部の意向に従って公明党の候補予定者を支援することで決着しました。しかし自民党の地元議員からは、反発の声が上がっています。 23日、愛知県小牧市内のホテルに続々と集まった自民党の県議会、市議会議員たち。そこに森山選対委員長が現れ、16区の候補者について党本部の結論を伝えました。森山選対委員長:「16区は公明党さんに頑張っていただくということが党本部の結論でございます。何をもって理解を得られたかというのは非常に難しいところでありますが、我々としては党本部の決定にご理解いただかなければならないと思っております」
次の総選挙の候補者調整で、軋轢が生じている自民党と公明党。自民党は、東京の選挙区では公明党の反対を押し切って候補者擁立を決めましたが、区割り変更で新設される愛知16区は公明党に譲ることを党本部主導で決めました。
これに地元議員は強く反発しています。山下智也県議(小牧市選出):「粛々と反対です。厳しいです、難しいです、納得できませんという声が多かったですね。それぞれの地元に帰って(支援者に)言えるかというと、皆さん言えないです。言ったら自分の支援者、支援してくれる組織が壊れてしまう」
自民党本部と地元議員との間に横たわる深い溝。しかし党本部は、公明党との断絶は東京だけにしたい考えです。 24日に名古屋市内で開かれた自民党愛知県連大会に姿を見せた萩生田政調会長は、こう訴えました。萩生田政調会長:「東京では(公明党との関係が)地に落ちたと言われてる、私は東京都連の会長なんですけれど。夫婦喧嘩は離婚の危機がありますけど、兄弟喧嘩は仲直りをしなきゃいけない。我々(自公)は夫婦ではなくて兄弟だと思っております。今日は(公明党の)里見代表がおみえでございますので、ぜひお伝えをしていただきたい」
公明党愛知県本部の里見代表も壇上に上がり、協力関係の深化を呼びかけました。公明党愛知県本部の里見代表:「(自民党)愛知県連におかれましては、様々な思い・ご意見をお持ちの方もみえるとお伺いしておりますけれども、自由民主党・公明党がその議席を最大化できるよう、協力関係をさらに深めてまいりたい」
地方議員の反発があるものの、愛知県連は党本部の意向を受け入れて独自候補擁立を見送り、公明党の候補を支援することを決めました。丹羽県連会長:「来るべき総選挙に向けて、我々は一丸となって常在戦場の思いで臨んでまいります」
愛知16区は野党側も、立憲民主と国民民主がそれぞれ候補者の擁立を発表しているほか、維新も候補者を立てる方針です。
与党側は候補者を一本化できたものの、選挙戦そのものは東海3県で有数の激戦区となりそうです。