天ぷら調理中に、火が上がってしまったら? 消防庁の注意喚起に「怖すぎる」「絶対やらない」

料理中に何らかの原因で火が出てしまった場合、みなさんはどのようにして消火するでしょうか。
とりあえず手っ取り早く、水をかけて消そうとするかもしれませんが、中には水での消火はNGというケースがあります。
例えば、天ぷら油から出た火には「水をかけてはいけない」といわれていますが、これはなぜなのでしょうか。
※写真はイメージ
天ぷらやフライに使う揚げ油で起こる火災は、『天ぷら油火災』と呼ばれています。高温に熱された油が発火したり、コンロの火から引火したりすることで火災が起こるのです。
油から火が出ると、つい焦ってしまい、早く消そうと水をかけてしまいたくなるかもしれません。しかし、これは絶対にしてはいけないNG行為です。
高温に熱された油に水を投入すると、水が瞬時に蒸発して水蒸気に変わり、炎が急激に拡大。高温の油も周囲に飛び散ります。
東京消防庁による、『天ぷら油火災』の怖さが分かる動画をご覧ください。
わずかな水滴でも炎が大きくなり、油を飛び散らせます。もし、焦って火を消そうとしてコップ1杯の水を投入すれば、後はどうなるか分かるでしょう。
実際に、消火しようとして水をかけるという初期消火のミスにより、毎年多くの負傷者が出ています。
例えば、東京消防庁管内では、2021年は176件の天ぷら油火災が起こり、65人が負傷したそうです。
火のついた天ぷら油に水を投入することは被害の拡大につながるので、絶対にしてはいけません。
では、もし天ぷら油から火が出てしまった場合は、どうすればいいのかを東京消防庁に聞いてみると…。
天ぷら油火災には消火器が有効です。注意点として、通常の消火器を使う際は、放射された薬剤の勢いで油が飛び散る可能性があるため、離れた位置から油面を覆うようにして使用してください。
また、手軽に使える小型のエアゾール式簡易消火具も有効です。万が一に備えて用意しておくといいでしょう。
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もし消火器がない場合は、『窒息消火』という濡れたタオルで油の入った鍋を覆い、空気を遮断して消火する方法もあるといいます。
まず、鍋を十分に覆うことができるサイズのタオルを複数枚濡らし、水が垂れないように絞りましょう。
次に絞ったタオルを菜箸などの長い柄のものを使って、火にかぶせるように鍋にかけてください。
タオルをかけ終わったら火を消し、そのまま待てば、鍋の中の空気がなくなり火が消えていきます。
ただし、消火後にすぐにタオルを取り除くと再び火が付く可能性も…。鍋にフタをしたままでガスの元栓を閉め、温度が下がるのを待ちましょう。
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「水をかけてはいけない」と覚えていても、燃え盛る火を目の当たりにすると冷静な判断ができず、とっさに水で消そうとしてしまうかもしれません。
もし火が出てしまっても、焦らず、冷静に対処するよう努めましょう。
そもそも火が出ないようにすることがもっとも重要なので、火を使っている間は絶対にその場を離れないようにしてくださいね。
[文/デジタル・コンテンツ・パブリッシング・構成/grape編集部]