北朝鮮による拉致被害者の曽我ひとみさんが29日、佐渡中等教育学校の生徒に向け講演し、母・ミヨシさんと再会を果たしたときには「ごめんねと言いたい」と述べました。
佐渡中等教育学校の生徒約190人に迎えられた曽我ひとみさん。45年前にともに拉致されいまだに帰国を果たせていない91歳の母・ミヨシさんについて語りました。
【曽我ひとみさん】
「こんなにも長い時間が経っているのに私はまだお母さんと会うことができていません」
曽我さんは、自身も経験した北朝鮮の厳しい食糧事情に触れ、ミヨシさんがしっかり食べられる環境にあるかを考えると、胸が締め付けられると訴えました。講演の後、生徒達は積極的に質問していました。
【生徒】
お母様に再会したとき最初に何をしたいか
【曽我ひとみさん】
「ぎゅーっと抱きしめて「ごめんなさいね」って言いたい」
拉致により引き裂かれたままの母娘の人生。曽我さん自身が21年前に帰国して以降、拉致問題は少しの動きも見せていません。
岸田首相は、来月上旬にも曽我さんと面会する方向で調整していて、実現すれば総理大臣の曽我さんとの面会は、2018年の安倍元総理以来、5年ぶりです。
日朝首脳会談の実現にも意欲を見せる岸田首相ですが、朝鮮中央通信が28日、「拉致問題は完全に解決済み」という北朝鮮の立場を強調していてその実現は不透明さが増しています。