冷房の「つけっぱなし」が節電になる外気温とは? – パナソニック、電気代節約術を公開

パナソニックはこのほど、エアコンなど家電の使用頻度が増える夏に向けて、電気代の節約術を公開した。

■エアコンの節電術

大手電力7社は6月から家庭向け規制料金の大幅値上げを実施した。高騰する電気代に頭を悩ませている人も多いのではないだろうか。また、2023年3月にパナソニックが行った調査によると、昨今のインフレにより、節約への関心が昨年より高くなった人は84%に上ったという。

そこで今回は、同社が公開したエアコンと冷蔵庫の「電気代の節約術」を紹介。まず、夏場は冷房の使用機会が急増するエアコンの節電術を見ていく。

○フィルター掃除で年間1万円以上の節約!

エアコンは、室内機のフィルターにホコリがたまると目詰まりし、 空気の吸い込み量が減る。その結果、必要な空気を確保しようとし、余計なパワーを消費するのだそう。

同社の実験で、1年間フィルターの掃除をしないケースと掃除をしたケースを比べたところ、掃除をしないケースでは最大約25%も電気代が無駄になることが判明。一方、掃除をしたケースでは年間約8,000円以上(※)も電気代を節約できたという。さらに、この他の節電術と併せてエアコンをうまく使うと、年間1万円以上の節約が可能となると試算している。

※パナソニック製品「CSJ403D2」、電気代単価31円/kWhで試算

○風量と設定温度を上げて節約!

電気代節約には、風量と設定温度も重要だ。風量を「微風」にすると、設定温度になるまで時間がかかり、逆に消費電力が上がってしまう。冷やすより風量を上げる方が電力は少なく済むため、「微風」より「自動」運転が節電には効果があるとのこと。

また、環境省によると、夏の冷房時に設定温度を1℃高くすると消費電力が約10%削減されるという。設定温度を1℃上げ、同時に風量を上げることで、年間約1,400円以上節約できるそう。

※パナソニック製品「CSJ403D2」、電気代単価31円/kWhで試算

○35℃以上の日は「つけっぱなし」がお得!

外気温が35℃以上の猛暑日の場合は、室温が上昇しやすいため、冷房は「つけっぱなし」運転にする方が節電になる。ただし、30℃程度までなら室内温度はそこまで上がらないため、「こまめに消す」運転の方が電気代の節約につながるとしている。

○室外機の周りに物を置かない!

室外機の周辺に物を置くと、エアコンの冷房効率が大幅に低下する場合もある。そして、室外機の周りにホコリやごみがたまると熱交換の効率が下がり、消費電力が上がってしまう懸念もあるため、特に強風の日や台風の後はチェックが必要と説明している。

○扇風機やサーキュレーターとの併用で節約!

冷たい空気は低い場所にたまるため、一般的に冷房時は上向きで風を送ると広範囲を冷やせるとされている。扇風機やサーキュレーターを併用し、冷気のムラをなくすのも得策だ。

■冷蔵庫の節電術

次に、常に電気を使う冷蔵庫の節電方法を見ていく。

○最新モデルで電力削減!

最新モデルなら省電化が進んでいるだけではなく、節電モードも搭載されている。5~10年以上使っている人は、この機会に買い換えを考えてみるのはいかがだろうか。なお、冷蔵庫の買い換えによる節電効果については、省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」にて確認できる。

○食材を詰めすぎず年間1,360円節約!

食材の詰め込み過ぎは冷気の流れが悪くなり、消費電量が増加する(冷凍室はぎっしり詰めたが省エネになる)。経済産業省・資源エネルギー庁の「省エネポータルサイト」では、冷蔵庫に品を詰め込んだ場合と半分にした場合を較し、年間1,360円の節約になると試算している。

○冷気の吹出口や吸込口はふさがない!

冷気の吹出口や吸込口をふさいでしまうと、冷気の通りが悪化し、庫内が冷えにくくなって、温度を下げるためにより電力を消費する。収納の見直しを行い、放熱スペースを空けるようにしよう。また、冷蔵庫の上に物を置くのもNG。放熱がしにくくなり、消費電力が増える原因になるという。

○熱いものは冷ましてから入れる!

熱い食べ物を冷蔵庫に入れると、庫内温度が上昇して余分な冷却運転が必要になる。できるだけ、冷ましてから入れるようにしよう。

○ドアの開閉は最小限に!

ドアを開けるだけで庫内温度が上がる可能性がある。中を整理して食品の出し入れを早く行い、開けている時間をできる限り少なくしてほしいとしている。

○上手な入れ方を紹介!

最後に冷蔵庫の上手な入れ方を紹介する。冷蔵室は、食品の間にすき間を作り、冷気の流れをよくしよう。そうすると、中身を見渡しやすくなり、食品も素早く取り出せるそう。

冷凍室は、既に凍っている物は、すき間なく詰めてもOK。さらに立てて保存すると、食品をひと目で確認でき、サッと取り出せるという。