〈千葉・バラバラ女性遺体〉「かほり先生はペスカタリアンで肉は食べない」…「遺体の一部は食べた」との容疑者の供述に同僚が疑念「占いや霊視みたいなことの勉強会に通っていました」

「かほり先生はペスカタリアン(魚を食す採食主義者)だったので、肉は食べないはずなんですが……」千葉県市川市のマンションで母親の遺体を解体したなどとして死体損壊・遺棄容疑で逮捕されたダンスインストラクターの新かほり容疑者(45)の同僚の女性は、こう首を傾げた。
新容疑者は千葉県警の調べに「霊媒師になるためには母親が邪魔だったので首を絞めて殺した。切断した遺体の一部は食べた」などと供述しているという。また、新容疑者は母親の介護に疲れていたことも同僚に漏らしていたといい、猟奇的な事件の隠された一面が浮かび上がってきた。
現場となった自宅マンション(撮影/集英社オンライン)
この同僚と新容疑者は都内のスポーツジムで、ともにインストラクターとして5年以上を過ごした。今年3月に新容疑者が同ジムのレッスンを辞めるまで、通勤や食事をともにしたり、悩みを話し合ったりするなど親しくしていたという。「彼女とは同じ時間にレッスンを担当していました。毎週一緒に駅までお喋りしながら歩いた記憶が懐かしいです。お母さんにだいぶ手を焼いていたようで、かなり疲弊してる様子がチラホラとうかがえました。おうちでは溺愛していた保護猫2匹に癒やされて、何とかやっているという趣旨のことをおっしゃっていたのが印象的でした」さらに同僚が続ける。「私が働いていたジムで彼女もインストラクターとしてレッスンをするようになって、トータルで5年間くらいは一緒でした。特に仲良くしていたのはここ2年くらいで、ジムの終わりに買い物に行ったり、お茶や食事に行ったりしました。彼女が1人で冗談を言って笑ったり、過剰なほどハイテンションだったみたいなことをいぶかるニュースを見ましたけど、それは『おかしくなった』からではなく、もとからそんな感じの方でした。テレビで彼女の表情や目を見て怖いと言う方もいますが、私が会った当初から彼女は情緒不安定でした。私が自分の結婚生活や夫の話をすると、彼女は苦労してると思ったのか涙を流して聞いてくれていました。ですから、感受性も強い方です」感受性も共感する力も強かったのは、自身が母親の介護や家族の問題で苦労していたからかもしれない。
新容疑者(本人SNSより)
「お母さんとの関係がうまくいってないというか、疲弊している感じはありました。よく口論になっていたようで、『お母さんが子供みたいにワガママになってるの』とたびたびこぼしていました。でも彼女は優しくて、『これはお母さんの脳トレにいいかも』と筆ペンを買っていたこともあります。お母さんはうつ病だったという報道を見ましたが、かほり先生の話を聞いていた私は、てっきり軽度の認知症だと思っていました。炊事洗濯を含めて家事もすべてを彼女がこなし、母親を半介護しているような状況に『もうヤダ』とこぼしていたこともありました。お兄さんについては『弁護士になるために何度も司法試験を受けている』と言っていました。お兄さんとは同居はしていなかったようです。そんな彼女を支えていたのは、飼っていた保護ネコ2匹だったみたいで『ネコちゃんがいるから我慢できる』とよく言っていました」
新容疑者は食事に関してこだわりがあり、肉は食べなかったという。「私が知っている限り彼女は数年前にペスカタリアンに転向して、魚は食べても肉は食べない生活を徹底していました。ジム帰りにスーパーに寄ったときも私が『肉を食べないとメニューが大変ね』と聞くと、『魚ばっかりよ。お母さんにも魚を食べてもらってるの』と言っていました。ジム帰りには喫茶店でお茶をして大福を食べたり、デパートの北海道物産展でチーズタルトみたいなスイーツを食べたりすることはありました。でも、食事に行ったときも彼女が食べたのはパエリアで、もちろん肉は入っていませんでしたよ」
新容疑者(本人SNSより)
宗教や霊能力に傾倒している様子はなかったのだろうか。「実をいうと彼女がここのジムを離れる直前の今年3月末に、占いや霊視みたいな勉強会に行っていると聞きました。彼女が『まだまだ勉強が足りないから、次回は質問できるようにもっと勉強しないと』と言うので、深くは聞かずに『スピリチュアルだね』とだけ返しておきました。彼女も大人だし、それほど怪しいものではないのだろうと思っていたので。彼女は自分に投資をしたり、ブラッシュアップすることに熱心に取り組んでいるようでした。今思えばですが、ジムに来ていた高齢の男性が、自分のお墓をどうするか悩んでいたことがあって、彼女が『霊はお墓にはいないんだから、お墓は閉じた方がいい』と熱弁を振るっていたことがありました。もしかすると、もうずいぶん前からそうした霊に関わるような何かにハマっていたのかもしれません」それでもこの同僚は新容疑者が「猟奇的な」供述をしていることに、得心がいかないという。「あれだけ熱心でまっすぐな彼女ですから、ペスカタリアンになったのに、肉を食べるというのがどうにもつながらない気がします。とっさに母親を殺めてしまったとして、賢い人なので切断して計画的に捨てるというのも考えられなくはないけれど、『食べる』ことには違和感を覚えます。そう供述しているだけのような気もするし、犯行そのものが何か誰かから悪い洗脳を受けた結果としか思えないです」
現場となったマンション(撮影/集英社オンライン)
ヨガやズンバのインストラクターとして「追っかけ」がいるほど人気を博していた新容疑者はなぜ事件を起こし、猟奇的な供述をしているのかーー。謎はどんどん深まっていく。※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。メールアドレス:[email protected]@shuon_news取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班