伊藤瞳アナ 身近に感じた大雨に対策を考える必要性を感じました…仙台放送アナウンサーコラム「書ける」

先月、台風の接近による大雨で、東海道新幹線が前日から運休となったその日、なんというタイミングか、名古屋で親友の結婚式が予定されていました。前日の夜に仙台から実家の埼玉に移動していて、結婚式当日に東京から名古屋へ向かう予定だったのですが、ピンチに。新幹線は昼には運転再開するという情報があったので、どうなるかも見通せない中、とにかく東京駅に向かいました。
東京駅の新幹線改札前は、想像通り、前も見通せないほどの混雑でしたが、なんとか、始発から数えて2番目の新幹線に乗車。全て自由席でしたが超満員で座席はすでに埋まっており、私は座席と座席の間の通路にスペースを見つけ、立ったまま名古屋に向かうことになりました。
ただ、乗車したものの発車予定までは1時間半あるという状況で、気が遠くなりましたが、ただただ「親友の晴れ姿が見たい」という思いで、到着を信じました。車内では、同じく立っていた人が辛そうに座り込んでしまい、座っていた人が、「席を代わりましょうか」と声をかける場面も。ピリつくよりも、むしろ互いを思いやる雰囲気に包まれ、困難を乗り越える一体感もありました。立ったまま車内で過ごすことおよそ4時間、ついに名古屋駅に到着した際には、最果ての地にたどり着けたかのような気持ちになりました。乗客の中には、拍手をしている人もいました。
そこまでしてたどり着いた名古屋でしたが、結局、式には間に合わず、出席できたのは披露宴から。親友の晴れ姿を見た瞬間、やっと会えた嬉しさと安堵(あんど)感で、冒頭から号泣してしまいました(笑い)
この後も、全国あちこちで大雨の被害が続いています。今回、私は交通の間接的な影響のみでしたが、今後、水害などの直接的な被害を受ける可能性もあります。身近に感じた大雨に対して、ギアを上げて対策を考える必要性も改めて感じました。