あす8日~9日 九州北部~北陸中心に過去最大級の大雨の恐れ …の画像はこちら >>
来週10日(月)頃にかけて、再び災害級の大雨に厳重警戒が必要です。特に、あす8日(土)~9日(日)は、九州北部(山口県含む)や中国地方~北陸地方を中心に過去最大級の大雨の恐れ。平年7月ひと月分の雨量に匹敵するような大雨が、2日程度でザッと降るでしょう。熊本県など記録的な大雨となった所では、少しの雨でも災害の危険度が急激に高まるため厳重な警戒が必要です。
再び前線停滞 活動が活発に
来週10日(月)頃にかけて、梅雨前線が西日本~東日本付近に停滞し、活動が活発になる見込みです。特に、あす8日(土)~9日(日)は、九州北部(山口県含む)や中国地方~北陸地方を中心に過去最大級の大雨の恐れがあります。すでに九州北部では、6月28日~7月6日までの雨量が大分県日田市の椿ヶ鼻で771.5ミリ、熊本県南阿蘇村で739.5ミリ、宮崎県えびの高原で702.5ミリなど700ミリを超え、平年7月雨量の2倍の雨が降っている所もあります。7月3日、一日に2回「線状降水帯」が発生し、橋が流されるなど大きな被害があった熊本県山都町では602.0ミリと、平年の7月雨量(519.5ミリ)を上回っています。
予想雨量 7月ひと月分の雨量が2日程度で一気に降るおそれ
10日(月)にかけて、西日本から北日本の広い範囲で雷を伴った非常に激しい雨が降り大雨となる見込みです。特に8日(土)~9日(日)は九州北部・中国地方・北陸地方を中心に、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降り、平年の7月ひと月分の雨量に匹敵するような大雨となる恐れがあります。大雨のピークは、九州北部と中国地方では8日(土)午後~9日(日)午前、北陸地方では8日(土)朝~9日(日)朝の見込みです。予想される24時間雨量は、多い所で8日(土)夕方まで九州北部地方:250ミリ9日(日)夕方まで九州北部地方:200ミリ~300ミリ10日(月)夕方まで九州北部地方:100ミリ~200ミリなどとなっています。これまでの大雨により地盤が緩んでいる所や、川の堤防などが傷んでいる所があるおそれがあります。今後は少しの雨でも災害の危険性が急激に高まる可能性があるため、さらなる大雨災害に厳重な警戒が必要です。
山口県を中心に、過去最大を超える大雨に厳重警戒
この図は、対象期間内に予想される48時間降水量の最大値と、その降水量がそれぞれの場所において過去最大の降水量と比較して何割に達するのか、ということを示しています。これが100%前後に達すると、甚大な被害の発生する可能性が高まり、150%を超えると犠牲者の発生数が急増する可能性があるという研究結果があります。7月9日(日)を中心に、既往最大比は山口県で130~150%、石川県や富山県、岐阜・長野県境では100%前後となる地域があります。甚大な被害の発生する可能性が高まるため厳重な警戒が必要です。※1 既往最大比とは、解析雨量が1kmメッシュ化された2006年5月以降に観測された雨量の最大値との比のこと。※2 本間基寛,牛山素行:豪雨災害における犠牲者数の推定方法に関する研究,自然災害科学,Vol. 40,特別号,pp. 157-174,2021.
今できる大雨への備え
今できる事の一つとして、安全なうちにできる事があります。備えておいていただきたいことは、次の3つです。①避難場所や避難経路の確認をしておきましょう。いざ大雨による災害が発生すると、避難経路が通れなかったり、避難場所に行けなくなったりすることもあります。複数の避難場所や避難経路を確認しておくことが大切です。また、川や斜面の近くは通らないようにするなど、浸水や土砂災害の危険性が高い場所を避難経路に選ぶのは、避けてください。確認した避難場所や避難経路の情報は、家族で共有しておきましょう。②非常用品の準備をしておきましょう。非常用の持ち出し品は、リュックなど両手が使えるものに入れて、すぐに持ち出せる所においてください。避難時に履く靴は、スニーカーなど、底が厚く、歩きやすい靴を用意するのが安全です。また、水道や電気など、ライフラインが止まった時に備えて、水や食料も用意してください。③側溝などの掃除をして、水はけを良くしておきましょう。砂利や落ち葉、ゴミなどが詰まっていないかも、確認しておいてください。いずれも、大雨になる前に、なるべく早い段階で備えるよう、心がけてください。
いざという時 避難行動の確認を
今回、西日本や日本海側を中心に大雨となる見込みで、特に九州北部を中心に雨量が増える恐れがあり、土砂災害の危険が急激に高まる恐れがあります。土砂災害から避難するには、ポイントが2つあります。①早めの避難を心掛けることです。特に、お年寄りや障害のある方など、避難に時間のかかる方がいらっしゃる場合は、大雨になってしまう前に、行動してください。また、夜中に大雨が予想される場合は、なるべく明るいうちに、避難所など安全な所へ避難することが重要です。②より安全な所へ避難することです。これまで、土砂災害の多くは、木造家屋の1階で被害にあっています。すでに雨が強まっているなど、どうしても避難場所への移動が困難な場合は、近くの頑丈な建物の2階以上へ移るのも、選択肢の一つです。家の中に留まる場合も、斜面から離れた部屋や、2階以上の部屋へ移ってください。万が一、土石流が発生した場合は、土砂の流れる方向に対して直角に、できるだけ高い所へ避難することが、命を守ることにつながります。