「ワイドビューひだ」で活躍したキハ85系のラストラン 「エンジン音がほかと全く違う」 ファン歴45年の男性が見送った最後の雄姿 高山~名古屋の特別列車

名古屋と高山を結ぶ特急車両として親しまれ、多くの人に愛された「キハ85系」が、9日に34年の幕を閉じました。ラストランを見届けようと駅や沿線には多くの人が集まりました。(鉄道ファン)「桑名からきた。最後だから乗りたいと思って」「すごいダイナミックな景色が楽しめた車両だったし、車両としての力強さを感じることもあって、楽しさが詰まった車両だった」
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9日、岐阜県のJR高山駅にカメラを手に集まった多くの鉄道ファン!ディーゼルエンジンで走る「キハ85系」のラストランを見届けます。
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1989年2月に高山線の特急車両としてデビュー。「ワイドビュー」の愛称で長年親しまれた「特急ひだ」。この日が「キハ85系」の最後です。旧国鉄から民営化後、JR東海が初めて開発したこの特急車両は、名古屋と和歌山の紀伊勝浦を結ぶ「特急南紀」としても活躍しました。
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しかし、新型のハイブリッド車両「HC85系」の投入で、6月末で定期列車としての運行が終了。9日は「JR東海ツアーズ」がラストランイベントを開き、高山駅から名古屋駅間をノンストップで走ります。
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特別列車は、午後2時高山駅を出発しました。一方、私たちは岐阜県関市に住む鉄道ファンの男性を訪ねました。
私たちが訪ねたのは、ファン歴45年のトラック運転手・後藤利明さん(49)。
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ローカル鉄道に乗って全国を巡った証=御朱印帳ならぬ「鉄印帳」を所有する後藤さん。キハ85系のラストランには特別な思いがあるといいます。
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(後藤利明さん)「これが確か高校1年生くらいだったころ(に撮った)。キハ85系は中学時代に初めて出会って一番印象に残っていた車両だった。エンジンの音が他の列車とまったく違った。加速感がすごくてスポーツカーかなと思うくらい」
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後藤さんは好きがこうじて、3年前には旅行会社を通して「キハ85系」での団体旅行を自ら企画。鉄道ファン約80人が集まったといいます。そして今回もある企画を立案…(後藤利明さん)「私たちの仲間以外にも、地域の方もみんなで組んで見届けたいなと」向かったのは岐阜市の長森駅近くの沿線。手製の旗や横断幕を持った多くの仲間たちが集まっていました。
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(訪れた人)「さみしい。子供のころから撮ってきた車両だから」「(子供が)産まれた時から抱っこしながら乗っていた。」
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(後藤利明さん)「ちょっと寂しい。どういうふうに言葉を出せばいいか、直前になると分からなくなる」午後4時過ぎ…キハ85系が来ました。後藤さんも「ありがとう!」と声を掛けます。
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そして、最後のキハ85系は走り過ぎていきました。(後藤利明さん)「ここまでみんなが思ってもらえているのは本当に嬉しかった。言いたい言葉は…お疲れ様ですと」終着駅の名古屋駅。多くの鉄道ファンが出迎えました。
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デビューから34年と5か月、多くの人に愛された「キハ85系」は、最後の役目を終えました。