警視庁は7月11日、豊島区の「大塚南口駅前脳神経内科クリニック」院長、西田容疑者(55)(別の準強制わいせつ罪で起訴)を準強制わいせつ容疑で再逮捕した。西田容疑者の再逮捕は今回で5回目だが、西田容疑者は「全て黙秘します」と供述しているという。
手口はこれまで以上に悪質だった。社会部記者が解説する。「2021年6月9日、被害女性はコロナ患者の濃厚接触者となり発熱症状もあったため、西田容疑者が院長をつとめるクリニックを受診しました。西田容疑者は『コロナによる発熱ではない』『婦人科系の病気によるものかもしれない』などと説明をし、PCR検査をせず、診察と称したわいせつ行為に及び、その様子をスマートフォンで撮影していたとみられている。被害女性は翌日、症状が改善しないことから別の病院を受診し、コロナ陽性が判明して1週間入院した」
事件のあったクリニック(撮影/集英社オンライン)
西田容疑者の初逮捕は今年3月8日のことだ。2021年10月25日午後、クリニック内で婦人科の診療を装い、約1時間にわたって20代女性の下半身をまさぐるなどのわいせつ行為をはたらいたという「集英社オンライン」では初逮捕の今年3月、クリニックの患者や複数の近隣住民の取材をした。当時の証言を詳報する。近隣に住む50代女性はこう眉をひそめる。「患者さんの出入りがほとんどなく、クリニックはいつも暇そうでしたね。知り合いの30代女性が受診したんですが、『女性スタッフはいないし、院長がタメ口で妙に馴れ馴れしい。胸の辺りをジロジロと見られるのも不快で、もう二度と行かない』と怒っていました」小型カメラを内蔵したメガネで女性患者の盗撮もしており、押収されたパソコン内には内診台に横たわる女性の下半身などを触る動画が50本以上保存されていたというから、とんでもないエロドクターだ。
西田容疑者(クリニックHPより)
西田容疑者は防衛医科大学卒業。脳神経内科の医官、勤務医として国内各地の病院で働いた後、2020年7月に独立してクリニックを開業したという。
以前に受診を検討したという30代女性が言う。「昨年、妊娠したことがわかって近くの産婦人科医院を片っ端から調べたんですが、『大塚南口駅前脳神経内科クリニック』は最初に選択肢から外しました。だって男性医師ひとりだけで、女性スタッフもいない婦人科なんて、絶対にかかりたくありませんから」女性患者からのクリニックの評判はすこぶる悪かった。ネットでの評価は5段階中、☆ひとつで、ダメ出しのクチコミが添えられていた。〈コロナ疑いで受診。常駐は看護師、看護婦はおらず男性医師のみ。聴診器で心音を聞く際、診療台に寝かされ、トップスを脱ぐように指示され、従うとブラジャーを思いっきり下にずらされて胸部が丸出しに…ブラジャーをつけたまま、もしくは少しずらすような対応をお願いしたところ、今度は思いっきり上にずらされて結局、丸出しに…熱があったため大した抵抗もできずされるがままでした。会計時に「ナイスバディ」と言われトラウマです。こんな出来の悪いAVのような悪質な病院が本当にあるなんてびっくりです。特に女性には絶対にお勧めしません〉
ネットの書き込みより
クリニック内の“抵抗できない状況”のなかで、わいせつ行為をおこなった西田容疑者だが、3月8日の逮捕時には籠城し、抵抗を示していたという。「クリニックの悪評を警視庁は1年ほど前から把握し、西田容疑者を内偵していました。逮捕時の様子ですが、西田容疑者は捜査員の呼び出しにも応じず、クリニックに籠城してなかなかドアを開けようとしなかったと聞いています。焦れた捜査員が『すみませ~ん。出てきてください』と大声でドアを叩いたので、驚いた周辺住人の110番通報で所轄署の警官が駆けつけるほどの騒ぎだったそうです」(全国紙社会部デスク)西田容疑者は逮捕当初、警察の調べに対し「悪いことをした覚えはない。メガネカメラの撮影は苦情があった時に自分の正当性を担保するため」と容疑を全面否認していた3月の逮捕から4カ月、事件現場となったクリニックはシャッターが閉まり、看板も外されていた
看板が外されたクリニックが入っていたビル(撮影/集英社オンライン)
西田容疑者の5回目の逮捕を受け、近隣マンションに住む30代女性は「熱をだしたとき何度か受診しようと考えたことがあった。行かなくてよかった」と声を震わせていた。また長年、院長と親交のある60代男性は「腕はたしかだし、親切な医師だった。何をやってるのか…」と肩を落としていた。※「集英社オンライン」では、身の回りで起きた珍しい事件・トラブルについて取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。メールアドレス:[email protected]@shuon_news取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班