事件や事柄の裏で糸を引いている人物がいると根拠なく思い込む――そんな現代ネット社会にはびこる陰謀論に頭を悩ます著名人は多い。インフルエンサーとして注目を集めるZ李氏、滝沢ガレソ氏と “青汁王子”こと実業家・YouTuberの三崎優太氏の3人もそんな根も葉もない疑惑のターゲットにされることが多いそうだ。果たして “ネットの陰謀論”とは何なのか。
まずはじめに、3人のことをあまり知らない人のために、それぞれの素性を簡単に紹介しておこう。三崎優太氏は2014年から展開した青汁のネット通販事業で一躍、時の人に。一時は脱税容疑で逮捕されるも、現在は実業家と並行してタレント、YouTuberとしても活躍中で、通称“青汁ヒルズ”と呼ばれている家賃1700万円の超高級マンションを借りるなど経済的に大成功をおさめている。一方、比較的メディア露出の多い三崎氏に対して、素顔はもちろん、その正体のほとんどが謎に包まれているのがZ李氏と滝沢ガレソ氏だ。Z李氏は公営ギャンブルの予想を発信するオンラインサロン「新宿租界」の経営、滝沢氏は大手企業の営業マンという顔を持ちながら、それぞれTwitterで“スシローペロペロ少年”を代表とする迷惑動画の拡散や、タレコミ情報等を元に社会的不義に鉄槌を与えるなど、ダークヒーローかつ、“第3のメディア”的な一面を持っている。Z李氏の単独インタビューはこちらネット社会に対して大きな影響力を持ちカルト的な人気を誇る3人だが、それゆえに陰謀論に巻き込まれることも少なくない。今回はその陰謀論をテーマに、オンライン鼎談が実現。今のネット界やネット民に対して思うことを語り合ってもらった。※
オンライン上で鼎談が実現。Z李氏とガレソ氏は顔出しNG
滝沢ガレソ(以下、ガレソ) Zさん、お久しぶりです。Z李 久しぶり。ガレソ君と青汁王子は、はじめましてか。ガレソ 青汁さん、はじめまして。三崎優太(以下、三崎) はじめまして、今度コラボしてください。このメンツが揃うと、また陰謀論に巻き込まれそうですね(笑)。
――日頃よりいろいろと噂を立てられるお三方ですが、率直に……みなさんは反社なのでしょうか?ガレソ 私は完全にシロです。普通の会社員です。Z李 別に反社の知り合いがいないとは言わないけど、俺自身は違うと思うよ。三崎 僕の(YouTube)チャンネルでコラボさせてもらってから「青汁も反社だ」と言う人がすごく増えて。そもそもZ李さんも反社ではないのに。――三崎さんはいかがですか?三崎 え、僕にも聞いてるんですか?(笑)。断言しますけど、反社とのつながりはありません。普通に銀行口座もクレジットカードも持ってます。
不正を追及したところ、最初は謝罪をした。しかし、数日後にとんでもない凶行が発覚越山氏は突然「三崎は反社会勢力なので株主ではない」と言いだすロジックとしてはそもそも反社会勢力だから株式譲渡は無効というものだった。そうすれば自身の不正を追及されず、会社を乗っ取れると計画したのだ。
反社疑惑の発端となった乗っ取り事件についてのツイート
――それでも一部ネットでは反社といわれることも。三崎 かつて僕が筆頭株主だったある会社の社長が原因ですね。彼は僕が脱税容疑で逮捕されたときに会社資金の横領など企業を私物化し始めたので、僕がそれを理由に取締役職を解任しようとしました。すると『三崎優太は街宣車を送りこんだりするような反社だから株の譲渡は無効だ』と言い始めて、トラブルになったんです。結局、その社長に対して訴訟を起こして僕の完全勝利。10億円近い損害賠償が認められましたが、某週刊誌と夕刊紙が彼の証言を使ってあたかも僕が反社とつながりがあるような記事を出していたんです。
――“青汁反社裁判”として世間を騒がせました。判決は「反社認定されず」でした。ガレソ 僕もTwitterで情報を拡散する立場なので痛感しますが、一度広まってしまった情報を訂正するのってすごく難しいなと感じます。「青汁王子が反社」と発信されたら、それを否定しても、裁判で勝っても、最初の情報を信じ込んだ人をゼロにすることはできません。Z李 不起訴になっても、逮捕されたニュースだけが残るのと一緒だよな。三崎 いくら反論しても、その証明は難しいから最初に言ったもん勝ちですよ。
Z李氏
Z李 デマと陰謀論は違うのにな。俺も青汁のYouTubeに出演したことがあるから、何かあると俺がヤクザを紹介したって話になる。あとはそのときの出演料が2000万円だったなんて話も広まった。三崎 そんな割にあわない額を支払うわけないのに。Z李 だから青汁が俺に何かグレーなことを頼んだ見返りにその金が支払われたとかって陰謀論が出てくるんだろうな。ガレソ その社長が青汁さんを反社扱いして、それをきっかけに陰謀論者が乗っかって手がつけられなくなった状態ですね。三崎 まさにその通りです。※中編ではネット陰謀論の本質に3人が迫っていく。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班