悪性脳腫瘍の男性が“30年分”残したもの 「死んだ後も娘たちの誕生日を祝ってあげたい」

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「死んだ後も、愛する娘たちの誕生日を祝ってやりたい」。余命わずかだと知った男性が多くの誕生日カードを残し亡くなっていたことを、『Metro』などイギリスのメディアが伝えた。
イギリスのウェスト・サセックスで暮らしていたニック・キーナンさん(34)はしっかり者で、妻ら家族を含む多くの人に慕われ頼りにされる人物だった。
しかし2015年にニックさんは体調を崩し、出張先から急遽帰宅。「病院にいる」と聞いて妻ヴィクトリアさん(35)が慌てて駆けつけたところ、医師から「脳の左側に大きな腫瘍ができている」と聞かされた。
その後、ニックさんは手術、放射線療法、化学療法など全てに耐えて回復。そこで夫婦で話し合い「子供を作ろう」と決め、ヴィクトリアさんは双子を出産した。
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2019年12月、ろれつが回らなくなったニックさんは再び病院に通うように。しかし2020年3月には「悪性度の高い脳腫瘍ができている」「おそらく1年は生きられない」と宣告された。
まだ30代にして、幼い双子と愛する妻を残して死ぬ運命だと知ったニックさん。家族も深い悲しみに暮れたがニックさんは逆に励まし、そのまま治療も受け続けて前向きに暮らした。
だが11月には自宅で意識不明になったためホスピスに搬送され、そのまま回復することなく息を引き取った。
意識を失うまでの数日間、死が近いことに気づいていたニックさんは大量の誕生日カードを用意。娘たちへのメッセージをせっせと書き込んだ。今後30年間、誕生日が来るたびに開けて読んでほしい。そう願って懸命に書いたメッセージだった。
今年4歳になった双子が開けたカードには、「もうすぐ学校に行くんだね」「しっかりお互いのお世話をするようにね」と書かれていたそうだ。
Sirabee編集部が全国の10~60代の男女3,140名を対象に調査を実施した結果、全体の61.9%が「余命宣告をしてほしい」と回答した。

「余命を知ったら生きる気力をなくす」という人もいるが、知ることで残された時間を悔いなく過ごすことができるという人も少なくない。
ニックさんにとっても余命宣告はつらかったに違いないが、双子に愛情溢れるメッセージを書き残せたことは救いになったのではないか。