芥川賞に難病と闘う市川沙央さんの「ハンチバック」 …初のノミネートで栄冠

第169回芥川賞・直木賞の選考会が19日、東京・築地「新喜楽」で行われ、芥川賞は市川沙央さん(43)の「ハンチバック」に決まった。市川さんは初ノミネートでの栄冠となった。
市川さんは筋疾患先天性ミオパチーという難病により、人工呼吸器を使用。発話に大変な体力を使い、リスクもある。
芥川賞、直木賞はともに1935(昭和10)年に制定。芥川賞は新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品、直木賞は新聞・雑誌(同)・単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品の中から優れた作品に贈られる。前者は主に無名・新進作家、後者は無名・新進・中堅作家が対象となる。
贈呈式は8月下旬に都内で行われ、受賞者には正賞として時計、副賞として賞金100万円が与えられる。
前回・第168回の芥川賞は井戸川射子さんの「この世の喜びよ」と佐藤厚志さんの「荒地の家族」が受賞した。
◆第169回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)(ノミネート回数)
石田夏穂「我が手の太陽」(群像5月号)(2回目)
児玉雨子「##NAME##」(文藝夏季号)(初)
千葉雅也「エレクトリック」(新潮2月号)(3回目)
乗代雄介「それは誠」(文學界6月号)(4回目)
◆芥川賞選考委員
小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、平野啓一郎、堀江敏幸、松浦寿輝、山田詠美、吉田修一
※五十音順・敬称略