マイナンバーカード自主返納、「リアルな現状」に目を疑う… ネットでは怒りの声も

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昨年から賛否を呼んでいるマイナンバーカードと健康保険証の一体化。いま、マイナンバーカードを「自主返納」する人が増えている。
一体、何が起きているのか、取材してみると…。
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マイナンバーカードは、個人番号(マイナンバー)が記載された顔写真、ICチップ付きのプラスチック製カード。2016年1月から交付されたものの、利用率は頭打ちだった。
そうした状況を見かねてか、昨年、政府は2024年秋に現行の紙の健康保険証を原則廃止すると発表。年末に慌ててカードを申請した人もいたのでは。
ただ、今年5月以降、証明書が誤交付されたり、マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」で別人の医療情報が登録されるなど、トラブルが続出。7月6日には、デジタル庁が、6月だけでカードの自主返納数が約2万件になったことを発表し、暗雲が立ち込めている。
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トラブルが続出したことで、カードの運用システムに不信感を抱く人も少なくないようだ。
ネット上では、「こんなシステムトラブル続くカードなんて、怖くて使えない」「もうやめたらいいのに。トラブル多すぎ」「何も問題なく運用できている紙の保険証を廃止する意味が分からない」「そこまでして普及させて意味があるんか」など、怒りの声があがっている。
全国的に自主返納する人は増えているようだが、一体何が起きているのか。一部メディアで「自主返納件数がやや多い傾向にある」と報じられていた大阪府堺市役所に、返納状況について取材を敢行した。
大阪府堺市の戸籍住民課に、直近の自主返納件数を尋ねたところ、「『本人希望』で返納があったケースは、4月は9件、5月は28件、6月は34件です。5月以降、増えています」(担当者)という回答が。
数字だけ見ると、右肩上がりに上昇していることが分かる。返納理由は、やはりマイナンバーカードを持つことへの不満や不安だろうか。
「マイナンバーカードを返納いただく際、返納届という書面を書いていただきます。返納理由として、最近のマイナンバーカード誤交付等に不安を覚えて返納される方もいます。ですが、『(カードの)写真映りが気に入らない』といった理由や、そもそも返納理由を事細かく書かない方もいらっしゃるので、『本人返納』の方全員がマイナンバーカードに不満を持っているとは言えません」(前出・担当者)。
これは堺市に限ったことではないだろう。「自主返納=カードに不満な人」と考えるのは軽率だ。
とはいえ、相次ぐトラブルによって多くの人に不安を与えているのは事実。政府には、国民が安心してマイナンバーカードを持てるよう仕組みを整えてほしい。