8歳娘をダシに使った38歳母親の悪辣手口と信じがたいカネの使い道…食事は給食とスッパイマン3個だけ

「あんたが今、せなアカンことは何? 泣くなよ。泣くなって。うっとうしいから警察に言うで。食うなよ。寝とけ。泣いている理由は『ユーチューブばっかし見てたから怒られた』って(病院に)言いや。夜も食べんと、『しんどい』って言うて寝とき」
母親はダシに使っていた入院中の娘(当時8歳)を、電話でこう叱責していた。
娘に食事を与えず、低血糖症で繰り返し入院させ、共済金を詐取したとして、18日、大阪府大東市の障害者福祉施設のパート従業員、縄田佳純容疑者(34)が詐欺容疑で府警捜査1課に逮捕された事件。
母親は2018年以降、5年間で現在9歳の娘を43回入院させ、共済団体や生命保険会社3社から、共済金と保険金計約569万円をダマし取っていた。今年2月、入院中の娘が母親とスマホのスピーカーでやりとりしていた冒頭の通話内容を隣にいた看護師が聞いていたことから、事件が発覚した。
娘はこれまで4つの医療機関に入院していたが、詐欺が疑われる4回目以降は、同じ病院で入退院を繰り返していた。病院側は娘に低血糖症の持病があると思い、「お母さん、食事をちゃんと食べささなあきませんよ」と指導していたが、母親はろくに食事を与えていなかった。
今年1月22日から27日まで娘が入院した際、それまでの2日間で娘が口にしていたのは、祖父母から与えられた梅の駄菓子「スッパイマン」3個だけ。1日は絶食だったといい、入院前、娘が最後にとった食事は3日前の学校給食だった。
「母親は娘が退院からしばらく経って金が必要になると、娘の体調を悪化させ、入退院を繰り返させとった。下剤を複数回飲ませて入院期間を延ばすこともあった。その影響で娘は体が小さく、やせ細っていた」(捜査事情通)
8歳の女児に必要なエネルギー量は1日当たり1800キロカロリーだが、給食は591キロカロリーでスッパイマンは93キロカロリーだった。ケトン性低血糖症は長時間の絶食で引き起こされ、けいれんや嘔吐、脱水症状が出る。
■金に困っていたわけではない
娘は「ママにピンク色の変な薬を飲まされる」「『食べんとき』ってママに言われた。おなかすいていたのにと思った」と話し、母親は「娘が健康になるよう下剤を飲ませた。ご飯を食べると吐くから『食うな』と言った。逮捕される理由となっていることはしていません」と容疑を否認しているという。
「母親は5年以上前に離婚し、集合住宅で娘と2人暮らしだった。ダマし取った金は飲み代やエステ代、ブランド品の購入に充てられ、娘が入院中、彼氏との旅行や友達と岩盤浴に行く計画を立てとった。普通に仕事をしとったようやし、金に困っていたわけではない。頻繁に飲みに出かけ、エステに通っとったようやから、ただ単に遊ぶ金欲しさに娘を虐待しとったんやろ」(捜査事情通)
空腹に耐え忍び、下痢に苦しみながらも母親の言いつけを守っていた娘が不憫でならない。