ダンスで地域活性化に貢献する渡会智弘さん…由利本荘市に新スタジオオープン

秋田を中心に活躍するダンサー・渡会智弘さん(43)は由利本荘市で「DANCE STUDIO BOMB A HEADs」を営む。6月に新しいスタジオをオープンし、約70人の生徒にダンスの楽しさを伝えながら、イベント活動などを通して地域の活性化に貢献する。(取材・構成=秋元萌佳)
渡会さんがダンスに出会ったのは小学生時代。当時流行していた「ダンス甲子園」の影響もあり、3つ上の兄・和哉さんが先に興味を持った。自慢げに格好いいステップを披露する兄のまねをしようとしたが「できなくて本当に悔しかった」と兄に負けたくない一心で勉強。完全に独学だったため「技の名前すら知らなかったし、自分の体を自分で学んでいった感じでした」と見よう見まねで技術を吸収していった。
続けていくうちにコンテストやバトルで優勝するなど徐々に知名度がアップ。元々指導するつもりはなかったが、小中学生3人組に「どうしても渡会さんからダンスを習いたい」と猛アタックされて指導を開始した。「できない状態の子たちを目の当たりにした時、自分の力で育ててあげたいと思った」と2017年からスクールを開講し、貸しスタジオで活動を始めると、指導した子どもたちが「どこで習っているんだ」と県内で話題になり、徐々に生徒が増えた。
今年6月には由利本荘市内に念願の自らのスタジオをオープン。5歳から未経験の50代まで約70人の生徒を指導する。8月には教室の発表会を控え「普通であれば絡みがないようなジャンルの方々とも一緒に地元を盛り上げていきたい」と、地元秋田の郷土芸能であるなまはげ太鼓や、秋田市出身の三味線奏者などを迎えてコラボする予定だ。
「本物志向で、教えるというよりも本気でやっているやつだけ来いという空気で怖かった」という自らの少年時代とは、ダンスを取り巻く環境も変化してきた。笑顔でリズムに乗る生徒たちとともに全力で踊る渡会さんは「ダンスは見て楽しめる人も、やって楽しめる人もいる。地元の子どもたちが育っていって、田舎でも活気あふれたものにしていきたい」と明るい未来への期待を込めた。
◇BOMB A HEADs Street Dance Live Vol.3 8月6日、由利本荘市文化交流館カダーレ大ホールで午後1時開場、午後2時開演。ゲストはNAMAHAGE郷神楽、梅若鵬修、SMOKER、松本アンダーグラウンド。チケットは小学生以下無料、中学生500円、高校生・一般が1000円。お求めの際は名前、電話番号、購入枚数を記載の上、ダンススクールのサイト「お問い合せ」メッセージへ連絡。チケットは残りわずか。