「航空機メーカーが本気で作った旅客機パーツ生まれのグッズ」ANAと川崎重工が展開 狙いは?

川崎重工がグッズの設計を担当するという珍事。
ANA(全日空)と川崎重工が、旅客機のエンジンブレード廃材、ならびに製造中の旅客機から出た胴体パネルなどの端材・余剰材を使用したアップサイクル商品を開発。2023年7月20日より販売を開始しています。設計はボーイング社の旅客機の製造に携わる川崎重工のエンジニアが担当。川崎重工が一般使用者むけの商品を開発するのは、かなりレアなケースとのことです。
「航空機メーカーが本気で作った旅客機パーツ生まれのグッズ」A…の画像はこちら >>ANAと川崎重工が発売したアップサイクル商品(乗りものニュース編集部撮影)。
川崎重工では、ボーイング787の前部胴体、ボーイング777・767の胴体パネルなどを製造しているほか、ANAの787にも使用されているロールスロイス社製エンジン「Trent1000」の開発・生産にも参画しています。今回の発売商品は、川崎重工による取りまとめのもと、日本有数の航空宇宙産業の一大拠点である中部地区の航空機部品製造業各社の工場で加工されたものとのことです。
ラインナップは787(ANA機以外のものもあり)のエンジンブレードを用いたオブジェ(4万6200円)、ANAが運航する737のエンジンブレード廃材を用いたキーホルダー(9900円)、川崎重工製造の767の端材・余剰材を用いたパスケース(1万1000円)、同社製の767と777の端材・余剰材を用いた名刺入れ(1万5400円)などです。販売はANAの通販サイト「ANA Mall」で実施されます。
担当者によると、今回の商品はなくなり次第売り切れとなるものの、体制が整い次第量産を予定しているほか、第2弾、第3弾も展開予定とのこと。2社の担当者によると、これらの商品は航空機製造のノウハウを生かした、高い精度で製造された商品となっており、たとえばパスケースや名刺入れでは、リベット(留め具)と金属板の境界部分の凹凸がないところなどに、その技術力を垣間見ることができるそうです。
2社の担当者によると「日本で旅客機が作られていることは、一般的にはまだ広く知られているわけではない」とのこと。川崎重工の担当者は「今回の商品展開を通じて、日本の航空産業を認識していただければ」と、今回の狙いを話します。