幕張の浜泳がないで 水難死亡事故多発 千葉海保 高校生に注意喚起

学校の夏休みが始まるのに合わせ海の事故を防ごうと、千葉海上保安部などは20日、千葉市美浜区のJR海浜幕張駅前や「幕張の浜」で合同パトロールを行った。幕張の浜では2021年まで4年連続で水難死亡事故が起きており、高校生らに啓発リーフレットを配布し、泳がないように注意を呼びかけた。
千葉海保などによると、ZOZOマリンスタジアム近くにある幕張の浜は18~21年、高校生を含む15~19歳の男性5人が遊泳中に溺れて亡くなった。このうち4人が浜から沖に伸びる突堤から飛び込み、1人が砂浜から沖合約50メートルまで入り溺れた。
現在は県千葉港湾事務所により、突堤への立ち入りを防ぐフェンスが二重に設置されている。突堤周辺では複雑な波が発生しやすく危険だという。
幕張の浜は遊泳禁止だが、砂浜は自由に出入りできるため合同パトロールを行った。千葉海保の職員らは啓発リーフレットを配り、海で遊ぶ際はルールを守るよう話した。幕張の浜では遊びに来ていた男子高校生に遊泳禁止の理由を説明し、泳がないよう声かけした。
今後も幕張の浜では県千葉港湾事務所を中心にパトロールする。
駅前でリーフレットを受け取った高校2年生の女子生徒(16)は「同年代が亡くなっていると聞いて怖いと思った。夏休みに九十九里浜に遊びに行くので気を付けたい」と話した。
千葉海保航行安全課の前畑如宏課長は「なぜ遊泳禁止なのか。その理由まで一歩踏み込んで理解することが大切。幕張の浜に限らず、海は監視員がいる所で楽しんでほしい」と訴えた。