「どう考えても常識的な言葉ではない」 ビッグモーター元店長の父親が語る 「店長下りろタコが」 パワハラや残業の強要で息子はうつ病に…

岐阜県各務原市にあるビッグモーターで店長を務めた男性が、上司からパワハラを受けたなどとして会社を訴えました。男性はその後、交通事故で死亡。裁判を引き継いだ男性の父親がCBCの取材に応えました。この名刺は、ビッグモーターの各務原店の店長だった井川翔馬さんのものです。
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井川さんは2017年に入社し、2019年から約2年間店長を務めていました。これは、店長就任を喜ぶ井川さんが、父親に出したLINEのメッセージです。
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ところが、その後うつ病を発症し2021年6月に解雇。そして、2022年9月に交通事故で亡くなりました。29歳でした。その日は、井川さんの両親の結婚記念日でした。(井川さんの父親)「翔馬がうつ病になって休職せずに、健康なまま各務原で能力を発揮できていたら、9月24日というのは私たち夫婦の結婚記念日なんですけれども、そのタイミングでああいう死に方はしなかっただろうと思うと悔しいです」
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うつ病の原因は、仕事だったといいます。訴状によりますと、井川さんは上司からパワハラを受けたほか残業代の未払いがあったとして約2000万円の支払いをビッグモーター側に求める訴えを起こしました。
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(井川さんの父親)「非常に苛烈なプレッシャーがあったんだろうなと」
井川さんが店長だった頃、他の店長らも参加するLINEグループを通じて、営業成績についてこんな暴言を上司から書き込まれていました。「ふざけてんじゃねーよ」「日本語大丈夫?」「会話すら成立しないなら店長下りろタコが」
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また、これは他の社員へ向けたある上司のLINEでの暴言。「適当な仕事すんなクソタコ!」「マジでクソすぎる!ポンコツ!」高圧的で汚い言葉が飛び交っています。
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(井川さんの父親)「どう考えても常識的な言葉遣いではないし、あれを指導というのであればじゃあ何が暴言なんだっていう話ですよね。人の上に立つ者としての素養があるんですかと感じました」
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さらに井川さんは、一定の成果が出るまで残業を強要されたりしたといいます。そして、うつ病を発症。
(井川さんの父親)「親の気持ちとしては『つぶれてしまえ』と思いますよ。翔馬のことを思うと従業員を大切にする、お客さんを大切にする、そういう会社に生まれ変わって、立ち直ってほしいと思うようにしています。それが翔馬の思いだから」井川さんはビッグモーターを相手に2022年8月に訴訟を起こし、その直後の2022年9月に事故で亡くなったため、両親が裁判を引き継いでいます。
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(井川さんの父親)「ビッグモーターから被害を被ったと思う方がいれば声を出してほしい。翔馬が勇気を振り絞ってやったんだから。それに対してビッグモーターは真摯に応えてほしい。一つ一つの意見を拾って何がダメなのかを徹底的に改善してほしい」