「店の前の木が枯れる」と問題のビッグモーター 関東と東北にある数店舗を見て回った結果

中古車販売大手「ビッグモーター」の複数の店舗前で街路樹が枯れているのが見つかり物議を醸している。
群馬県太田市の店舗では警察から除草剤を撒いた犯人を捜す看板が置かれた場面や、福島県郡山市の店舗では除草剤の容器がある場面をGoogleストリートビューで閲覧することができ、ビッグモーターが除草剤を撒いているのではないかという声がSNSで多く見受けられる状態だ。
ビッグモーターは会見でも「甘い認識で除草剤を撒いてしまい、影響を与えてしまったことはあると思う」と話しており、愛知県名古屋市の複数店舗前の街路樹も枯れていることから、名古屋市が土壌調査をしていることも明らかになった。
こうなると気になるのが、その他の店舗でも街路樹や店前の草木が枯れていないかということだ。上層部の指示があったのなら、全国で同様にビッグモーター前の街路樹が枯れていてもおかしくない。そこで、関東と東北のビッグモーター5軒について店頭の街路樹が枯れていないかを、確かめに行くことにした。
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まず1軒目の埼玉県にある店舗。店前にはそもそも街路樹がなく、雑草も皆無。一方で逆側の歩道にはびっしりと雑草が生えており、店舗関係者が除草を行ったことが予想される。

2軒目の埼玉県春日部市にある店舗は、横に街路樹や植生があったが、どちらも美しく管理されている状況。他県で発生したような、枯れた街路樹などは確認できなかった。

次に訪れた埼玉県の店舗も、店前は清掃されており雑草などもない。

4軒目に訪れた栃木県のビッグモーターも同様。街路樹自体は生えており枯れ葉も片付けられていたが、その手前の木々だけなぜか無くなった形跡があった。

最後に訪れた宮城県仙台市のビッグモーターも、店の前に大きな街路樹が生えていた。
リサーチを追えて改めて今回の街路樹枯死問題を考えてみると、除草剤を店舗前道路に散布したのは全店舗ではなく一部店舗だけの事象のようである。しかし、同社幹部が会見で明かしているよう「敷地外」で除草剤を過剰使用し植木や街路樹に悪影響を及ばせたことは事実であり、あってはならないことだ。消えたのは雑草だけではなく街の景観のため植えられた樹木であり、そもそもビッグモーターの仕事ではない。
幹部による店舗外観の“行き過ぎた指導”がこれを生んだとしたら本末転倒である。やはり今回批判されている不正行為の悪質性や組織性が変わらない限り、この街路樹枯死問題も根本から解決することにはならないだろう。一刻も早い原因究明と、改善が求められる。